Phrasal Verb(句動詞)

2007年1月22日 (月)

3語からなる句動詞(2)

先月と今月のビジ英で「3語からなる句動詞」が結構出てきていました。

come [over / across] as ~ ~という印象を与える(ビジ英12月号、p.22)
 同じ回のVignette に2つも!Daily Quiz 3 ではappear to be で言い換え。クリスさんは、appear, be seen as, be understood as と説明していました。

own up to+(動)名詞 (罪などを)認める(ビジ英12月号、p.25、1(a))
 Daily Quiz 1 
 Acknowledge any error and update what was posted accordingly.
 誤りは何であれ認め、書き込み内容を適宜改訂することです。
Own up to any error and update what was sent accordingly. に書き換え。 
 look forward to -ing などと同様、to不定詞を続けないように注意しなければ!その他、acknowledge は、論文の最後の「Acknowledgement.(謝辞)」としておなじみなので「感謝する」がまず思い浮かんだのですが、第一義は「認める」。そしてその発音はエグレジと聞こえました。また、error はここでは文脈的に「考え違い」の意味なのでuncountable。
 動詞+up+to のパターンは他に「live / measure up to (要望・期待など)に応える」(ビジ英1月号、p.44)がありました。
 
walk out on (人) (人)のもとを去る、(人)を見捨てる(ビジ英1月号、p.48)
 日本語では「立ち去る」と言いますが、英語では「歩いて出ていく」→「見捨てる」。
 次の文に似ていると思いました。 
 Dr. Lee never gives up on a patient. (キーワードで英会話 '06.9月号、p.20)
 ドクター・リーは決して患者を見捨てない。
 どちらも「(対象と)関わり続ける状態」がon でうまく表されています。確か、番組中の説明では「(人)に際して」と訳語を当てていました。

録音した放送を聞き直してみると、いずれもやはり真ん中の副詞のところにイントネーションの山があります。副詞の存在感が伝わるように発音するとネイティブっぽく聞こえるかもしれません。

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2006年12月 1日 (金)

3語からなる句動詞(1)

 3語からなる句動詞は通常、「動詞」+「副詞」+「前置詞」のパターンが多いですね。主なパターンは私の中では以下の2つに大別されます。

― up with のパターン
catch up with ~追いつく
 ~とともにあって、進歩、更新の状態(up)を捕らえる
・(be) fed up with ~にうんざりする
 ~が胃の上(up)まで与えられて(大西泰斗説)
keep up with ~に遅れずについていく
 ~とともにあって、進歩、更新の状態(up)を維持する
put up with ~に我慢する、耐える
 ~とともにあっても(自分を)立っている状態(up)に置く

 catch, keep, put については「新感覚キーワード~」9月号p.59にも解説がありました。

― in on のパターン
cash in on ~を生かす、~から利益を得る
 ~に基づいて自分の中(in)に現金を入れる
 cf. cash in on one's experience 経験を生かす(ビジ英11月号p.13, Quote...Unquote)
close in on ~にだんだん接近する、~を包囲する(ビジ英12月号p.16, 1st見出し語)
drop in on (人)のところへ立ち寄る(予告もなしにふらっと)
 (人)に際して、(自分を)家の中(in)に(移動中に)落っことす。
zero in on ~に焦点を定める(過去「ビジ英」に数回)

 上記の「in」は一般的な「(空間的に)~の中に」のコアに加えて、対象に近づいていく、いわゆるズームインのイン、のコアが生きている例(close, zero)も見られます。

 これまでの経験から、3語からなる句動詞の発音には独特のintonationがあることに気がつきました。つまり、真ん中の「副詞」のところで突然、尻上がり(rising intonation)になり、「前置詞」のところでは下がる(falling intonation)というパターンです。今回この記事を書くきっかけとなった「ビジ英」のclose in on ではその傾向があまり目立ちませんでしたが、真ん中の「副詞」には重要なイメージがこめられているため強調される傾向があるようです。聞いていて妙に耳に残るintonationです。

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2006年11月18日 (土)

じゃじゃ馬慣らし

さて、ちょっと遅くなったのですが、「新感覚☆キーワード(9月号)」の復習の2回目です。今回は「馬」に関連するphrasal verb を中心にまとめてみました。

pull+副詞 :乗り物系の表現(馬→車の時代の流れがポイント)
pull up (車を)止める←手綱を引いて馬を止めるときに馬が一瞬上(up)を向く様子から
pull in (車を)道路脇に寄せる(止める)←手綱を引き、インコース(=ラチ沿い=道路脇)に寄せる
pull out (車を)追い越しのために車線変更する←手綱を引き、外(out)に持ち出して追い上げるイメージ。
pull off (車を)道路脇につける←手綱を引き、コース(車線)から外れた状態(off)へ
 
 「pull up」以外の解釈は私の推測ですが、競馬場のコースをイメージしたら意味がすっきりとれたのでこれで覚えることにします。

break in (馬・車・人など)を慣らす
・He is good at breaking in vicious horses. (彼は荒っぽい馬を慣らすのがうまい。)
 他の例として、break new students in 「新入生を(学校に)慣らす」、break in one's new shoes 「新しい靴を慣らす」。break in と聞くと、泥棒などが家に「押し入る」イメージが先行しますが、これらの場合のbreak の対象は「不慣れな状態」で、それを壊して"in"=自分の領域に入れる(→手の内にいれるイメージ)、といった解釈になります。ちなみに気性の荒い馬にviciousが使えるんですね~。昔の「やさビジ」に「・・・they have a vicious sting (それら=BB弾には激しく刺すような痛みがある)」というくだりがありました。そのときのテキストには「(天候や苦痛が)激しい」と書かれていました。

carry off (賞や名誉を)勝ち取る、何かをうまくやってのける
 carry (何かを身につけて持ち歩く)+off (何かから分離する→さっと奪う)=さっと奪って持ち運ぶ。
carry off the first prize 一等賞を獲る
 何かをうまくやってのける意味ではcarry off =pull off ですね。
 調べていて面白かったのは冠詞の違いで意味合いが変わる以下の例です。
 pull off a coup (大成功を収める)/pull off the coup (クーデターを起こす)

このcoup (発音は[ku:]、pはsilent)はフランス語由来で、英単語としては初対面でしたが、実は日本語のクーデターであったことにびっくり。でも、coup の意味が「大成功」と「クーデター」の2つあるというのはなかなか微妙なトコロです。

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2006年10月16日 (月)

キター!

( )内に適切な副詞を入れて文を完成させましょう。答え合わせは( )内を反転して下さい。

①His piano recital came ( off ) better than expected.
 彼のピアノリサイタルは予想以上にうまくいった。

☆演奏が舞台を離れて観客の方まで届く感じ。これと似ていると思ったのが次の句動詞。
 This flower gives ( off ) a good smell. この花はいい匂いがする。

 そういえば日本語でも、いい意味で「これ、きてるね~」とか「きたよ、きたきた」とか言いますね。これってcome off のイメージそのもの。つまり、「伝わってくる」わけです。名づけて、“かもし出し”の「off」。 

②I can't tell you how I came ( by ) the money.
 そのお金をどうやって手に入れたかは君に言えない。

☆普通「立ち寄る」で使いますが、「(入手困難なものを)手に入れる」意味にもなるところがスゴイ。その時はたぶん幸運を伴うから、能動的ではなく、モノ側を主体に考えて私がたまたまモノの「そばにくる」という感覚なのでしょうか。

③I'm just a beginner; I don't want to take ( on ) an expert player.
 私は初心者なので、ベテラン選手を相手にするのはイヤだ。

☆自らを手にして相手のところにのせる→対戦する。う~ん、このイメージ、何となくはわかるけど、じゃあ、face off (against~)で「対戦する」になるのはなぜ?

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