Oxymoron(撞着表現)

2007年8月28日 (火)

おくしもろん(文章編)

久しぶりにビジ英に Oxymoron が登場していました。

“Always” and “never” are two words you should always remember never to use. ―Graffiti Corner (2007年8月, p.27)
 「いつも」と「決して~ない」は決して使わないことをいつも覚えて置くべき2語である。

Thank God, I'm an atheist! ―Luis Bunuel (Mexican filmmaker, 1900-1983)
 神様、私は無神論者でよかった!

These Are the Good Old Days ―Fortune紙
 今こそ古きよき時代 →Those were the good old days. (あの頃はよかった。)という決まりフレーズのモジリ。

I'll go to hell for heaven's sake. ―♪“Go To Hell” by Megadeth
 オレは地獄に行くゼ、絶対。
for heaven's sake はお願い事の強調。hell と heaven の対比が皮肉になっていておもしろいlyrics です。

I must be cruel only to be kind. ―“Hamlet” by W. Shakespeare
 残酷にならねば、やさしくなるには。

Parting is such sweet sorrow. ―“Romeo and Juliet” by W. Shakespeare
 別れはかくも甘美な悲しみだ。(sssの頭韻にも注目)

 2006年上期(8月)の遠山顕先生の英会話上級で、「Oxymoron特集」をスポット的に聴きましたが、その中で遠山先生が頭韻を踏んでいることを「head rhyming」と言っていました。頭韻は「ビジ英」や「ものしり」にも頻繁に出てきますが、杉田先生や小林(章)先生はよく「alliteration」と言っています。一方、脚韻については普通はrhymeのみでOKですが、頭韻と区別するためにend rhyme と言うのが正確かもしれません。ということで、このブログではセットフレーズ集の中で、head rhyme 型とend rhyme 型と呼んで分類しています。

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2007年2月19日 (月)

おくしもろん(語句・短文編)

2006年上期(8月)の遠山顕先生の英会話上級「Oxymoron特集」やビジ英などから、oxymoronic な語句・短文をまとめてみました。oxymoronとは相容れない矛盾する2つの物事・性質の組み合わせから新しいコンセプトを生み出す効果のある表現のことで、演説や商品名などに意図的にも使われる手法です。oxymoronは広義では自己矛盾をも含みます。ちなみに俳句の世界では、矛盾していなくてもかけ離れていて意外な物事・性質の組み合わせを句に盛り込む手法を「二物衝撃」と言います。

$はオリジナル表現です。

$abscond in a second たちまちこっそり逃亡する(vi.
absent presence 「うわの空」状態(ビジ英・07年10月号p.60)
adult child(ren) 成人した子供(達)
act naturally 自然に演技する、気兼ねしない
$anonymous unanimous 無記名で満場一致の
baby grand (piano) 小型グランドピアノ
backseat driver 後部座席から運転の指示を出す人/無責任な口出しをする人/おせっかいをする人(ビジ英・2006年6月号p.53)
Beauty and the Beast 『美女と野獣』
(in one's)birthday suit はだか(で)
bittersweet ほろ苦さ(ほろ苦い)/苦楽(の)
Bull Nakano ブル中野(元女子プロレスラー)
business casual 職場でのカジュアルな服装
civil war(fare) 内戦 *civil には「礼儀正しい」という意味もあるため。
cold comfort 慰めにならない慰め
$flagrant and fragrant [fle'igr(э)nt][fre'igr(э)nt]
 言語道断でよい香りの
definite maybe はっきりとした不確実性(I'll give you a definite maybe.)
discord, dissonance 不協和音
damn good 上出来の・ものすごくよい
fail-safe (二重)安全装置(の)
foodaholic 食べ物中毒
Good grief! やれやれ!、信じられない!(GoodはGodの代替語)
good bad hero 正義と悪の両方の心をもつヒーロー(例:怪盗ルパン)
  ⇔*bad good villain (発音注意:ヴィラン)
good moaning 上手なうめき
good problem うれしい悩み
grateful dead 安楽死(=euthanasia)
home away from home 自宅同様にくつろげる場所、憩いの場(ビジ英・2006年11月号p.26)
honest error 悪意のない間違い
hope against hope 見込みのない希望を抱く(直訳は意味不明、雰囲気で使われる)
irrational number 無理数(整数比で表せない実数)←数字で完全に表現するのが不可能な数字
 「rational number 有理数=整数で表せる数を「合理的な数=有理の」と誤訳?し、その対義語が「無理数」となった。
$lame rhyme ぎこちない韻
・(be) late for one's own funeral いつも遅刻する(自分の葬式にも)(実ビジ・2008年9月号p.14,31)
legal murder 合法的殺人(死刑執行や生体実験etc.)
Less is more. 過ぎたるは及ばざるが如し。
mandatory volunteering 強制ボランティア
open end 開口端、オ-プンエンド
open-end(ed) 無期限の/追加借入ができる
open secret 公然の秘密
original copy 原本、正本
paid volunteering 有給ボランティア
personal vengeance 個人的かつ社会的正義のための復讐
 *vengeanceは通常personalではなく社会的正義感を動機とする
 cf. personal vendetta 個人的な恨み
pet hate 毛嫌いしているもの(お気に入りの+嫌いな物事)
pet peeve 不平の種(お気に入りの+気に入らない物事)
 peeveは形容詞peevish(気難しい、怒りっぽい)からの逆成語
prose poem[poetry] 散文詩(韻を踏んでいない詩)
 cf. pros of prose(散文のプロたち) 
pretty ugly かなり醜い
same difference 変わり映えのしないこと、あまり重要ではない差異(ビジ英・2006年11月号p.30)
$somber samba 陰気なサンバ [a]-[ae] (ラジ子さんご提供)
(the) sound of silence 静寂の音
start over やり直す
such sweet sorrow かくも甘美な悲しみ(*三連の頭韻にも注目)。
Thanks, but no thanks. 「(相手の申し出に対して)いいえ結構です」の丁寧な型)
true lie(s) 本当のうそ
white lie 罪のないうそ/社交辞令
$winding strait 曲がりくねった海峡
working retiree 働いている退職者(≒嘱託)
Yes and no. どちらとも言えません。(あいまいな返答)

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2006年11月11日 (土)

Oxymoronの語源

 商品名や映画タイトル名などは印象に残るネーミングが大事ということで、よく使われるのがoxymoron(撞着語法/矛盾語法)。私も大好きなrhetoricの1つです。これは相反する言葉を同時に使うことによる効果を利用したもので、宣伝業界ではビールのCMの「コクがあるのにキレがある」でおなじみの「キレコクの法則」や、芸名では「劇団ひとり」がよい例(shining example)ですね。
 おもしろいことに、「矛盾」という言葉と同様、「oxymoron」自体もoxymoronで、「oxy」は「鋭い」、「moron」は「鈍い」をそれぞれ意味するギリシア語からできた単語です。「oxy~」と聞くと、つい酸素(oxygen)を連想してしまいますが、こちらは「oxy=acid(酸)」+「gen=generate(生み出す)」で、酸を生み出す素(発見当時は酸化物=酸と考えられていたため)。でも、酸味=鋭い味なのでoxyの由来は同じのような気がします。確かにoxyを発音すると酸っぱそうな音です。一方、moron は英語にもなっていて、「愚か者」を意味する名詞。これは形容詞dull の意味展開(鈍い→頭の回転が鈍い=愚鈍な)と共通ですね。

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