ギリシア/ラテン語由来の色
かなり昔に発見されたカラフルな化合物にはしばしばギリシア語またはラテン語でその色を意味する接頭辞がついています。ちょっとマニアックかもしれませんが、主だった例を挙げてみます。---(参考:現代化学2008年11月号,p.47)
白: albo- / argenti- / leuko-
灰: amauro- / atri- / cani- / cinereo- / glauco- / polio-
黒: melano- / nigri-
赤: coccino- / eo- / erythto- / flammeo- / rhodo- / roseo- / rossi- / rubri- / rufi- / rutuli-
橙: aureo- / chryso- / cirrho- / flavo- / fulvi-
黄: fusci- / luteo- / ochreo- / xantho-
緑: chloro- / prasini- / viridi-
青: ceruleo- / cyano- / iodo- / violaceo-
紫: porphyro- / puniceo- / purpureo-
興味深いことに、今回挙げた例では、続く語幹との接続は必ず「o」か「i」を介しています(40個のうち「o」が28個、「i」が12個)。これらのうち個人的に気になった接頭辞は・・・
・leuko- [lú:k(ou)-, -k()-/ljú:-]→leukocyte(白血球)。leuco~とも。
・viridi- →絵の具のviridian(ビリジアン)は深い青緑色。
(絵の具に「緑色」がないのはなぜでしょうか?)
・chloro- →chlorophyll(葉緑素)。染料にも使用。
・argenti- →Argentina(アルゼンチン)は「白」に間接的に関与。
→独立当時の名称は「リオ・デ・ラ・プラタ連合州」
*Río de la Plata(スペイン語)=銀の川
→銀をラテン語のArgentumに変換(スペイン色を払拭するため)
→地名表現のため女性名詞化してArgentina
つまりラテン語で「白い金属」が銀だったわけです(-um/-iumは金属を意味する接尾辞:例外はhelium)。ちなみに「銀」の元素記号はラテン名に基づき「Ag」。cf. argent 銀(の)
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