語源

2024年2月26日 (月)

競走馬名の由来 (2024.2.25)

2/25(日)、今週は海外(サウジアラビア)で世界最高賞金レース「サウジカップ」が行われる週ということで、語学学習と競馬観戦のコラボ企画(主旨:言語学的に気になる競走馬名の由来を調べながらその馬を応援)の6回目をやっていきたいと思います。今回もJRAのHPにお世話になります。

阪神4R①ブリックワーク (Brickwork):レンガ造り
⇒偉大な父ブリックスアンドモルタル (Bricks and Mortar: レンガとモルタル) の作品はレンガ造りというシャレた命名
。結果は低評価(10番人気)を覆す着。ちなみに○○ワークという現役馬は、奇しくも同期にアートワーク (Artwork: 芸術作品)とサルヴェージワーク (Salvage Work: 海難救助作業) がいます。

中山6R⑧イージーブリージー (Easy Breezy):とても簡単な
⇒脚韻を踏んだ同意語からなる反復セット。
結果は、気の若さを見せながらも着。似たパターンの馬名としては、現役のサンデーファンデー (Sunday Funday: 楽しい日曜日) が挙げられます。ちなみにイージーを名に持つ現役馬は、本日中山7Rで2着に好走したイージーオンミー (Easy on Me: お手柔らかに) やスピークイージー (Speakeasy: 米国の禁酒法時代のバー) らがいます。

中山11R中山記念 (GII) ジオグリフ (Geoglyph):地上絵
⇒母の母がナスカ (Nasca)なので「隔世命名」。最強世代と呼ばれる現5歳で、あのイクイノックスを破って皐月賞を勝った馬。その後は連戦連敗で低迷中でしたが、今回
は復活を十分に予感させる着(4番人気)。ちなみに、1番人気で1歳下の皐月賞馬ソールオリエンスSol Oriens: 朝日(ラテン語))はジオグリフから半馬身遅れの4着。

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2024年2月19日 (月)

競走馬名の由来 (2024.2.18)

2/18(日)、今日は今年最初のGIレース「フェブラリーステークス」が開催される日ということで、語学学習と競馬観戦のコラボ企画(主旨:言語学的に気になる競走馬名の由来を調べながらその馬を応援)の5回目をやっていきたいと思います。今回もJRAのHPにお世話になります。

東京2R⑥ニシノコルベット (Nishino Corvette):冠名+快速艦
⇒corvetteの
発音は[kɔrvét]。corvetteの綴りを見てなぜかcommittee (委員会)を連想しましたが、どちらもフランス語由来の説があったので妙に納得。結果は流れに乗る先行策で見事に着(6番人気)。

京都10R③セオ (Theo):男子名。父名(スピルバーグ)からの連想(管理人注:スピルバーグ監督の息子の名)、ディオ (Dio):神(伊)

⇒出走表を見ておもわずニヤリ。Theoはギリシア語由来の「神」、Dioはイタリア語の「神」。この2頭が隣り合って神対決。実は1度対戦(その時も隣同士)があり、その時はセオが1着、ディオが2着。今回の結果は・・・ディオが1着でリベンジ、セオは3着。JRAの実況もかなりアツかったです。

東京11RフェブラリーS (GI) アルファマム (Alpha Mom):リーダー格のママ
アルファ=α (alpha) を名詞Nの前に付けると第一位のNという意味になります。例えば、1つの星座の中で最も明るい星はα星、猿の群れで最も強い雄はαオス(俗語のボス猿は誤解を招くおそれがあり学術的に推奨されないとのこと)ですアルファマムはいろんな意味で強そうですが、結果は10着。近年稀にみる超ハイペースの消耗戦決着で大外枠も厳しかったようです。

フェブラリーSは日本ダート界(マイル)の頂点を決めるGIレース。今回のレースの大きなポイントは、(i)真のトップ層が不在(1週間後の海外GI サウジカップ出走)、(ii)人気馬が気性難、という点。まず(i)の背景から芝路線組を含む各陣営のヤル気が倍増、芝スタートから加速した逃げ馬⑮ドンフランキーの異常なスピード、その番手で4頭の先行馬が激しくポジション争い、これが空前のハイペースを生みました。レースが流れると(ii)の気性難は自然解消される(人馬が折り合う)こともありますが、1番人気の⑤オメガギネスにとっては、道中で進路カットや接触を伴う消耗戦。レース経験の浅さ、テン乗りも災いしたのか直線で早々に失速。一方、2番人気の⑭ウィルソンテソーロも、レース前のイレコミによる体力消耗、オーバーペースの番手でよく粘りましたが、ラスト2ハロンで徐々に後退。結局、人気と連動しづらい終始一貫したタフさが問われるレースとなりました。結果は、三連単の配当が153万円超の大波乱。的中した皆様、おめでとうございます!

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2024年2月12日 (月)

競走馬名の由来 (2024.2.11)

2/11(日)、語学学習と競馬観戦のコラボ企画(主旨:言語学的に気になる競走馬名の由来を調べながらその馬を応援)の4回目をやっていきたいと思います。今回もJRAのHPにお世話になります。

東京4R新馬戦 ⑪バスティオン (Bastion):要塞。誰にも攻略を許さない圧倒的な存在になることを願って
個人的にbastionは初めての単語ですが、base (基地) と関連していると思われます。発音は[bǽstiən]ですが、USでは[bǽstʃən]とも。後者の発音ならSebastian's bastion (セバスチャンのとりで)でイケそうです(入れ子型の押韻)。結果は残念ながら10着(16頭中)。 

京都8R②サンライズプルート (Sunrise Pluto):冠名+冥王星。
2006年8月に惑星から準惑星に「降格」された冥王星。そのため、plutoが「降格させる」という意味の動詞(米・口語)にもなりました結果は1番人気を背負いましたが6着。「惑星から見る日の出」というつながりでは、ブルーサン (Blue Sun) という現役馬がいます。この馬名は、火星から見た朝日(夕日)の色が青いことに由来しています。

小倉11R⑧ファロロジー (Pharology):灯台学
⇒灯台学という学問を初めて知りました
。「明日をも照らす希望の光のような存在に」という願いが込められていそうです。結果は差のない10着(18頭中)。
珍しい学問名の現役競走馬としてはジェモロジー (Gemology: 宝石学) がおり、過去にはアンソロポロジー (Anthropology: 人間学) やトポロジー (Topology: 位相幾何学) がいました。

東京11R共同通信杯GIII ⑦パワーホール (Power Hall):入場曲名。
現役時代、革命戦士と呼ばれたプロレスラー「長州力」の入場曲。馬主は「スワーヴ」の冠号で有名な㈱NICKS。結果は、低評価(単勝151.2倍)を展開の利(超スローペースの逃げ)で覆して着。ちなみにサンダーストーム (Thunder Storm: 嵐、7戦0勝) が入場曲の天龍源一郎は、滑舌の悪さで長州力と双璧を成す存在

灯台学 (pharologyで思い出したのが研究社の英語辞典「ライトハウス」。LIGHTHOUSE(灯台)には、未知の英語の世界を照らすガイドのような意味が込められていると書いてあった気がします。後に、この辞典の編集に、NHK「基礎英語」でお世話になった小島義郎先生が携わっていたことを知りました。ちなみに-logy」は「~学」という複合語を作る接尾辞ですが、シンプルに言語や論理という意味で語形成に使われる場合もあります。紛らわしい例としては、mythology(神話(学))と misology(理屈・議論を嫌うこと <miso(嫌う)+logy(論理))があります。したがって、お味噌の学問の「ミソ学」は先客(後者)がいるため-logyを用いた単純な造語は厳しいかもしれません。

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2024年2月 5日 (月)

競走馬名の由来 (2024.2.4)

2/4(日)、語学学習と競馬観戦のコラボ企画(主旨:言語学的に気になる競走馬名の由来を調べながらその馬を応援)の3回目をやっていきたいと思います。この時期、何とかデビューにこぎつけた新馬(最初の2頭)を皮切りに、今回もJRAのHPにお世話になります。

東京5R④アルドール (Ardor):情熱(西)。母名(ヒルダズパッション)より連想。
⇒ラテン語の炎が語源ということで、英語だとardent (情熱的な) あたりが関連語。1番人気(単勝2.8倍)に支持されましたが結果は10着。ちなみに、ardorのrを全てlに変えるとaldolというβ-ヒドロキシカルボニル化合物になります。このaldolを生成するアルドール反応の最初の発見者とされているのが、意外にも
「韃靼人の踊り」で有名な作曲家のA. ボロディン(実は有機化学者で医師)。上記の反応が「ボロディン反応」となっていないのはスティグラーの法則どおり。

京都5Rスターリングアップ (Stirring Up):(心が)奮い立つ。
stir upは句動詞で(気持ちを)かき立てる。どんな気持ちかは目的語次第。
結果は着とまずまず。ちなみに、名前が~アップで終わる現役馬は、キイモップアップ (Kii Mop Up: 冠名+完成、総仕上げ)、ターニングアップ (Turning Up: 折り返し)、ブレークアップ (Breakup: 空が破れたかのように見えるオーロラ) など。過去にはJCを勝った豪のベタールースンアップ (Better Loosen Up: くつろいでよね) という名馬がいました。

京都10R③ヴァガボンド (Vagabond):風来坊。
⇒漫画の『天才バカボン』(諸説あり)や『バガボンド』にもみられますが、英語の発音は[vǽgəbɑ̀nd]。別の言い方だと man of pleasure(放蕩者)。なお、
ヴァガボンドは牡馬(オス馬)なので、Vagabond の綴りのままフランス語(ただし最後のdは黙音)でもいけます。母馬はカプリースレディー (Caprice Lady: 気まぐれな淑女) なので少し関係がありそうです。結果はインコースから逃げて最後までよく粘り着。

東京12R⑬フィンガークリック (Finger Click):ジャズでよく用いられる指パッチン。
⇒「指パッチン」は芸の呼称で正式ではないかもしれませんが便利な表現です。結果は馬番と同じ13着と振るいませんでしたが、興味深いのは父馬の名前=マインドユアビスケッツ (Mind Your Biscuits)。米の馬だし、あのシービスケット (Seabiscuit: 海軍用の堅パン、父馬はHard Tack: 乾パン) にちなんで?と思ったら「Mind Your (Own) Business (大きなお世話だ)」を捩(もじ)って付けられたとのこと。英語で「勢い型」のダジャレは珍しいと思いました。

ところで、vagabond の別の表現として man of pleasure を紹介しましたが、こんな時はポリコレ的に「person of pleasure」と無性語を使うべきと主張する人がいます。いつかのラジオ講座で、対象の性別がはっきりとわかっている状況でわざわざpersonを使うのは逆に変だと教わりました。例えば、会議の議長が男性であることが明白な時に、その議長に対する呼びかけや言及にchairpersonは使いません。一般論において、議長を勝手に男性と決めつけてchairmanとしないことがポリコレの考え方なので、無性語が常に万能なわけではないことに注意したいです。  

 

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2024年1月 8日 (月)

語形成の突然変異

SNSの発達もあり、新しい単語が言語やジャンルを問わず加速度的に生み出される時代になりましたが、新語の生成条件の1つには、大多数の人に受け入れられる発音の容易さ、語呂(覚えやすさ)、直感による分かりやすさなどが挙げられます(その意味では糖尿病の代替語候補=ダイアベティスは不利?)。さらに、歴史(文法)や文化(流行)などといった要素が世の中への定着を後押ししやがて辞書に載るのがサクセスストーリーですが、その過程では規則性よりもイメージが優先されることもあるため、語形成にはさまざまな「突然変異」が起こると考えられます。今回は、比較的メジャーな語形成パターンを題材にして、英語と日本語の比較も交えながら、興味深い新語生成の一端に触れていきたいと思います。

新古典複合語の語形成
古典ギリシア語や古典ラテン語を由来とする造語要素(古典造語要素)をつなぐことで新しい単語が形成されます。これは古語と古語の掛け合わせで新語を生み出す、いわば言語学上の「反転術式」です。学術用語(特に医学用語)に多くみられ、例えば、osteoporosis(骨粗しょう症)は古典ギリシア語の骨(osteo-)、孔(-poro-)、病態(-sis)から成り立っています。興味深いことに、造語要素のつなぎ目(語尾)は「o」となっていることが多く、最近では造語要素が現代英語の名詞や形容詞で「造語要素+接合辞(主にo)+造語要素」のように語形成される傾向があります(例:methodology (方法論)、sociolinguistics (社会言語学))。

イメージによる語形成
流行が規則性を超越すると突然変異型の語形成が生まれます。例えば、本ブログでも取り上げたことのある「~中毒の」という意味を与える接尾辞(もどき)は、元はalcoholic(アルコール中毒者)の後半部分がちぎれたもので、「中毒の対象+a (対象がa、oで終わる場合はナシ)+holic」のように新語を量産できます。また、鉱物系接尾辞の「-ite」は、発音の都合か元々語根の最後(の子音字)が「l」となる石が多かったためか「-lite」と異形化する場合(cyrtolite、iolite、roselite等)も多く存在します
。一方、日本語の変異例としては「アムラー現象」が挙げられます。つまり、シャネラー⇒アムラー⇒パフィラー、アユラー、マヨラーのように新語が生まれ、アムラーの強い影響で最終的にはラ行で終わらない対象にもラーを付ける「変異」が起こっています。これらはいずれもイメージ重視による語形成です。

②を書き終わった後、過去記事を読み返していたら Green Wedding の復習 の最後に似た内容(vegetable⇒vegetarian)を見つけてびっくり。今回、実に16年を経て少しだけまとまった記事になりました。普段から考えていることはあまり変わってない?という説が濃厚ですが、記事の数も気づけば300近くになっているので、掘り起こし作業からの再発見や再考察も楽しいかもしれません。


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ボクの名前はガンビー(サイヤ人)。

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2023年12月25日 (月)

競走馬名の由来 (2023.12.24)

12/24(日)は中央競馬(JRA)のグランプリレース「有馬記念」の日です。と来れば・・・語学学習と競馬観戦のコラボ企画(主旨:言語学的に気になる競走馬名の由来を調べながらその馬を応援)の2回目をやっていきたいと思います。今回もJRAのHPにお世話になります。果たして待望の初勝利なるか? 

中山4R⑩コンドライト (Chondrite):ケイ酸塩鉱物 (chondrules) を主要組成とする隕石。
⇒ギリシア語由来:chondr(粒)+ite(石)。新古典複合語の一種。結果は4着(単勝オッズ1.5倍!)。ケイ酸塩鉱物関連では、アイオライト(Iolite、菫青石)というオープン馬が現役で走っています。

中山5R⑭マインドブロン (Mind Blown):衝撃を与える(管理人訳:衝撃を受けた心)
馬主さん的にはmind-blower (人の心を吹き飛ばすような馬) の意味を持たせたかったのでは?結果はこちらも4着。似たコンセプトでは、過去にアイポッパー (Eye Popper: 度肝を抜くような馬) がいました

阪神9R⑧スマラグドス (Smaragdos):緑の石(ギリシャ語)。エメラルドの語源。母名(エメラルドスター)より連想。
⇒なかなかオシャレな命名。以前にギリシア/ラテン語由来の色を調べましたがこの緑 (smaragd) は初めて。(宝)石系の馬名(例:ローゼライト (Roselite: 宝石の一種))は意外と多いかも。ちなみに祖母はAres Vallis (アレス渓谷@火星)で色が赤⇔緑で反転。結果は6着と振るわず。

阪神10R⑬シェイクユアハート (Shake Your Heart):心を揺さぶる。
⇒shake one's heartは、心を揺さぶってネガティブな影響を与えるという印象があります(be shaken:心が動揺する、くじける)。結果は惜しくも2着。似たパターンでは、ロックユアハート (Rock Your Heart: あなたの心を揺り動かす) が現役で走っています。

中山11R有馬記念 (GI) ⑤ドウデュース (Do Deuce):する+テニス用語(勝利目前の意味)。
和製英語のようですが、決勝線手前で追いつき最後に差し切る同馬にピッタリの命名。結果は・・・鞍上の武豊JKとともに復活のV!さすがはあの世界最強のイクイノックスを下したダービー馬。ちなみにスポーツ用語関連では、秋天を制したオフサイドトラップ (Offside Trap) が思い出されます。

以上、なかなか時間がかかりましたがついに本企画から勝ち馬が出てほっとしました。その勝ち馬、ドウデュースは去年の凱旋門賞(仏)で屈辱の19着。今年はGI戦連敗からの復活で、あのオグリキャップの有馬記念を思い出したファンも多かったのではないでしょうか。ほかの注目馬たちもぜひ今後の成長と活躍を期待したいです。また、今回は注目した馬名から連想される馬たちにも友情出演していただき、賑やかで楽しい回となりました。最後に英語のコメントを1つだけ。感情(系)動詞は、例えば今回の有馬記念のようなexcitingなレースにワクワクした私は、I was excited.(×I was exciting.)のように受動態で使われますのでうっかりしないように気をつけたいです。


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来年もう一回行こう。フランス行こう
(レース直後に武豊JKが愛馬に掛けた言葉)

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2023年12月18日 (月)

便利な検索リスト

今回は(個人的に)便利な検索サイトを備忘録的にリストアップしてみました。とりあえず思いつくままに挙げていますが、この頁は随時更新していく予定です。

<英語全般>
・英英辞書サイトの串刺し検索→OneLook Dictionary Search
・英和・和英辞書の串刺し検索→weblio英和和英
・英和・和英辞書→英辞郎 on the WEB
頭字語・頭文字語略語の展開→Acronym Finder
略語生命科学分野)とその展開形の検索→Allie
・論文誌タイトルの省略形の検索→CAS Source Index (CASSI)
転綴(てんてつ)語の作成→アナグラム
脚韻の検索→RhymeZone
タイトルケースの適用→HEADLINE CAPITALIZATION
レトロニムのリスト→List of retronyms

<日本語史>
・語源・由来→語源由来辞典

<症例>
・恐怖症リスト→The Phobia List

<趣味>
・競走馬名の由来→JRA登録馬リスト馬想家からの手紙

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2023年12月11日 (月)

競走馬名の由来 (2023.12.10)

今回は語学学習と競馬観戦のコラボ企画です。主旨は、中央競馬(JRA)に出走する競走馬のうち、言語学的に気になる馬名の由来を取り上げながら、ついでにその馬を応援していこうというものです。つまり、勉強と趣味を同時に行う時短?の実験企画です。ちなみに、現在のJRAのHPには競走馬の馬名の英字表記とその意味が公式に掲載されているのでとても助かります。それでは、12/10(日)の分を早速やっていきましょう!

中京1R③ファルギュラントFulgurant):驚くほどに印象的な。稲妻の閃光を思わせる。
⇒初めましての形容詞。impressiveと同義。結果は7着と爪跡を残せず・・・。ちなみに、このレースの
勝馬は独語で稲妻(blitz)を名に持つキャッシュブリッツ (Cash Blitz) というオチ。

阪神2R④アクシノスAxinos):ギリシャ語、価値のある(Axios)と血統(Genos)の組合せ。
⇒ギリシア語からの造語ですが、言語学的にはアクシオゲノスとしたいところ。結果は伸びそうで伸びない4着。

中山3R⑧エスペラードEsperado):期待通り(西)。
⇒スペイン(西班牙)語。結果
は・・・なんと期待(5番人気)を最大限に裏切るドン尻の11着で入線。

阪神3R⑧ステイチューンドStay Tuned):乞うご期待。
⇒CM前の「チャンネルはそのままで!」というMCの決め台詞。過去にも同名の馬がいたような気が・・・結果は着とまあまあ。

中山10R⑦パワーブローキングPower Broking):権力争い 。
⇒broker (仲介業者)→broke→broking という逆成語。「権力の取引」に大失敗して結果は10
着。

中山11R⑫ベルダーイメルVerdad Imeru):真実(西)+稲妻(アイヌ語)。
⇒かなりレアなハイブリッド馬名。そして稲妻関連では本日3言語目の登場。3番人気で期待されるも結果は6着。

阪神11R阪神ジュベナイルフィリーズ (GI)ルシフェルLucifer):明けの明星(ラテン語)。母名(Alluring Star)より連想。
⇒綴りは堕天使ルシファーと同じ。
lucifer (match) だと黄燐マッチ。結果は輝ききれずに6着。

以上、応援した馬たちはさっぱりの結果で残念でしたが、なかなかおもしろい知見が得られました。特に、個人的には新発見だった逆成語のbroke (broking)。少し調べたところ、この単語の経歴はおそらく、ラテン語のbroccare (葡萄酒仲買人)→古フランス語のbrocheor→中フランス語のbrocour→英語のbroker→broke (動詞が逆成!)→broking という流れです(前半の流れは諸説ありそうです)。

さて、JRAの競走馬名の意味を調べていて、以前よりも英語以外の外国語、特にフランス語が多用されていると感じました。英語がそろそろネタ切れ気味なのかもしれませんが、フランス(ロンシャン)の凱旋門賞出走へ思いを馳せて・・・というのもわかります。いずれにしても、今回の企画はシリーズ化する予定で、余裕が出てきたら以前のようにまた競馬関連の英文記事も紹介していきたいと思います。


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イクイノックス、おつかれさまです!

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2023年12月 4日 (月)

ゴロピカの不一致

今回は、偶然か必然か、日本語と英語で慣用表現が酷似している「青天の霹靂」と「a bolt from the blue」を取り上げ、深堀りしていこうと思います。

a bolt from [out of] the blue 青天の霹靂
三省堂「英語イディオム由来辞典」によれば、この英語表現はT. Carlyle (British essayist, historian, and philosopher, 1795–1881) がドイツ語の ein Blitz aus blauem [heitrem] Himmel(青空[晴天]からの稲妻)を英訳したのが最初で、さらにその元ネタは船乗りの守護聖人St. Elmoの復活伝説だそうです(諸説あり)。前にlike又はasを付けて口語で用いることが多く、thunderbolt(雷電・落雷)の一語だけでも同じ意味で使えます。それにしても「青天の霹靂」は見事な対訳で、はじめは英語の直訳なのかと思いました。ただ、よく考えてみると「霹靂」は雷鳴(thunder)で、boltは電光・稲妻・稲光(つまり日本語と英語はゴロとピカの関係)とちょっとイメージが異なるため、調べてみるとやはりルーツも違っていました。

日本語の「青天の霹靂」は、中国(南宋時代)の詩人・陸游(りくゆう、Chinese historian and poet, 1125–1210)が書いた詩の一節「青天飛霹靂(突然すごい勢いで筆を走らせたことの比喩)」が中国語として「青天霹靂」に縮まり、それが日本に伝わったのだとか。なので、晴天と書くのは厳密には間違いで(同音同義語なので実質的に問題なしとも言えますが)、青天を英語のblueとセットにして覚えれば間違いがなさそうです。いずれにしても、最初は筆の勢いを音に例えた表現でしたが、のちに「突然起こった出来事」の比喩で使われるようになったというわけです。

このように、言語も由来も異なるのにたまたま似通った表現になっているのは言語学上非常に興味深いですが、英語を正確に理解するという観点からは少し気になっていることがあります。それは日本語の「サンダー」(thunder) の多用問題です。日本語ではなぜか「雷」をモチーフとする商品やキャラクター等に対してボルト(ピカピカ)よりもサンダー(ゴロゴロ)を当てる傾向が強く、そこに稲光のロゴやイメージを関連付けるため「サンダー=稲妻」であると誤解しやすい環境が生まれている気がします。

例えば、アニメ「初代プリキュア」の必殺技「プリキュアマーブルスクリュー」はブラックサンダーとホワイトサンダーという2種類の雷が混じり合って発射される電撃で、白と黒の光が強烈な印象を与えます。また、チョコ菓子の「ブラックサンダー」のパッケージには稲光が描かれ、「黒い雷神」や「おいしさイナズマ級!」という文字が入っています。このように、色を表す形容詞がサンダーに付いてしまうと、サンダーが音ではなく光として認知されがちです。そういえば、任天堂ゲーム「マリオカート」で雷を落とすアイテム「サンダー」も稲妻がモチーフでした。



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ほかにも、アリスの「冬の稲妻」は、突然去っていった恋人を冬の稲妻に例えた名曲ですが、その歌詞の「あなたは稲妻のように」と「You're rollin(g) thunder」がシンクロし、やはり「thunder=稲妻」として印象付けられるかもしれません(rolling:鳴り響く)。

気象庁のHPで確認したところ、雷とは「大気中で大量の正負の電荷分離が起こり、放電する現象」で「放電する際に発生する音が雷鳴で、光が電光」という明解な記述がありました。この雷の音と光を同時に表現したい場合、日本語には「雷電」という熟語が、英語には前述の「thunderbolt」という便利な単語がそれぞれあって、おそらく日本では「サンダーボルト」を使うべきところを、慣例、長さ、語呂といった理由から「サンダー」が愛用(で代用)されているものと考えられます。一般に、比較的長い単語やフレーズで重要な核となる部分が省略されてしまうケース(例:初代ウルトラマン→初代マン→マン)はままあることですが、サンダーボルトの場合は、サンダーとボルトという2つの並列概念のうち「文字はサンダー、ロゴはボルトを使う」といったややこしい現象が起きています。

さて、言語の歴史にエラーはつきものですし、そこがおもしろいところでもあります。今回のように語の持つ本来の意味と語が与えるイメージが何らかの理由でチグハグになってしまっている現象は結構あるような気がしますが、さすがに名前が付くほどメジャーではないと思われます。そこで、こういった現象について、上述の「サンダーボルト」を代表例に据え、遠方の雷のゴロゴロとピカピカが同時に体感できないことにもなぞらえて「ゴロピカの不一致」と名付けたいと思います。

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2023年8月31日 (木)

Holic独立運動

元々はalcoholic(アルコール中毒者)から派生したとされる、「○○中毒」や「○○狂」を意味する接尾辞の「holic」が、ひそかに単語への独立運動を展開中のようです。

●AMERICAN HOLIC/アメリカンホリック
とある商業施設で見かけた婦人服のカジュアルブランドのお店。コンセプトは「アメリカのポートランドのようなナチュラルでヘルシーな感覚とニューヨークのトレンド感」とのこと。
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Usa2 お店の看板を見たとき、星条旗のプリントTシャツを着た人をつい思い浮かべてしまいました。

「オレ=アメリカ」的なw

●Pie Holic/パイホリック
横浜みなとみらいにあるCalifornia Styleのパイ専門店。季節によってメニューが変わり、食べ放題コースもあります。店内は結構広くて、港の見える景色も良かったです。テラス席はワンちゃん同伴もOK。

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ほかにも、みなさんの知っている「Holic独立運動」がありましたら、ぜひコメントをお寄せください!

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