競馬

2009年5月18日 (月)

Vodka Day

一昨日ご紹介したウオッカVodka)が昨日のビクトリアマイル(GI)を圧勝しGI5勝目を挙げました。その差はなんと7馬身!ライバル17頭をはるかかなたに置き去りにするという衝撃のレースでした(写真の一番右の馬がウオッカ)。

Victoria Mile field tipsy after too much “Vodka”
 『強烈 「ウオッカ」に酔いしれたビクトリアマイル』
                          (Racing News, JRA, 2009.05.17)

    Vodkavm1

tipsyは「ほろ酔いの」という意味の形容詞で、ウオッカ(Vodka)がお酒の名前でもあることに引っ掛けて、「競馬場の観客がウオッカの強さに酔いしれた」ことをうまく表現しています。
ここで、ウオッカの栄誉を称え、彼女がこれまでに勝ったGI戦を競馬記事(JRA Racing News) の見出しで振り返ってみます(訳出は管理人)。

阪神ジュベナイルフィリーズ(2006.12.03)
 Vodka Toast of Her Class
 「話題のウオッカが祝杯」
 toast 「祝杯」と「評判の人(ここでは馬)」をかけている

日本ダービー(東京優駿)(2007.05.27)
 Vodka a stunner at the Derby
 「ダービー馬は衝撃のウオッカ」
 stunner 大きな衝撃を与えるもの/驚くほど素晴らしい人(物)

安田記念(2008.06.08)
 Vodka back to her best in the Yasuda Kinen!
 「安田記念でウオッカが復活V!」

天皇賞・秋(2008.11.02)
 Vodka edges Daiwa Scarlet by 2 cm for historic Tenno Sho (Autumn) finish
 「天皇賞(秋)はウオッカがダイワスカーレットを2センチ差で破り歴史的勝利」
 edge (vt.) ~に小差で勝つ、~との接戦をものにする

こうして記事の見出しを読むだけでもウオッカのスゴさが伝わってきます。どの勝利も記録だけでなく強烈に記憶に残り、ファンに大きな感動を与えてくれる点で、間違いなくウオッカは稀代の名馬といえます(あえて名牝とは呼びませんw)。

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2009年5月16日 (土)

Vodka & T M Precure

先週と今週の「ニュースで英会話」は英字新聞の特集でした。中でも、「見出し」はだじゃれ、比喩などユーモアたっぷりで読むだけで楽しいものです。例えば、競馬記事では以下のような感じです。

Hanshin Juvenile Fillies (G1)
 ― Vodka Toast of Her Class
(Racing News, JRA, 2006.12.03)
 「阪神ジュベナイルF(GI) ― 話題のウオッカが祝杯」

    Vodkajf_3

ウオッカ(Vodka)が2歳牝馬世代(her class)の頂点を決めるGIレース(阪神ジュベナイルF)を制した時の記事の見出しです。Vodkaはお酒の名前でもあることから、toastに「評判の人(馬)」と勝利の「祝杯」をかけています。ウオッカはこの後も日本ダービー(牝馬では64年ぶり)、JCを含むGI計7勝を上げ、2008、2009年のJRA年度代表馬にまで成長。現在も活躍中です。

Nikkei Shinshun Hai (G2)
 ―T M Precure Procures the First Cup in 3 Years!

 「日経新春杯(GII) ― テイエムプリキュアが苦節3年越しの勝利!」
                                  (自作, 2009.01.18)

        Tmprecureg2

テイエムプリキュア(馬主の冠号TM+漫画のプリキュア)はウオッカの1つ先輩の2歳女王。つまりウオッカの制した阪神JFの前年の同レース(2005.12.04)を勝ったのですが、その後、ウオッカとは対照的に約3年間未勝利。そして去る2009年1月、雨中の「引退レース」を見事に逃げ切り勝ち。ここでは、T M Precureprocure(苦労して獲得する)のだじゃれで見出しを作ってみました。なお、同馬はこの復活Vにより引退を撤回し現役続行が決定。さすがは土壇場に強い「プリキュア」です。

余談ですが、ウオッカはちょうど明日(5/17)のビクトリアマイル(GI)に出走しGI5勝目に挑みます。果たして今回はレース後の記事にどんな見出しが踊るのか、今から楽しみです。

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2008年3月16日 (日)

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2007年9月 7日 (金)

テレグノシス

 以前活躍した競走馬にテレグノシス(Telegnosis)という名マイラーがいました(今は種牡馬)。ビジ英L12では、ITを利用して場所や時間にとらわれない労働者= teleworker の解説で松下さんが「tele = far away」と説明してくれました。telepathytelephonetelevision の例を考えるとなるほどわかりやすい接頭辞です。ちなみに、television に関する動詞としては、televise 「テレビ放送する」、teleview 「~をテレビで見る」があります。冒頭のテレグノシスは、 telegnosistele(遠くで)+gnosis(認識・霊知) で「透視力、千里眼」という意味だそうです。
 ここで、「tele」で始まる単語を集めてみました。なんとなく、神秘的な雰囲気も漂う単語群です。

telediagnosis (病状の)遠隔診断
 <tele(遠くで)+dia-(横切って)+L.gnoscere(認識)
telegnosis 透視力/千里眼
telephotograph 望遠レンズの写真(を撮る)
telescope 望遠鏡
telesis (ある目的のための自然力や社会状況の)意図的利用
telesthesia(tele+esthesia=感覚)遠感現象
 ex. 遠くにいる肉親が負傷した際, 同じ部位に痛みを感じる
telethon(television+marathon)長時間テレビ番組(慈善目的)
telework(=telecommute) 遠隔在宅勤務

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2007年6月10日 (日)

競馬用語から(その2)

ビジ英の5月号、短いL5(1) には偶然にも、競馬のコースでも使われるdirt (ダート=砂)とturf (芝)が同時に登場。しかも重要表現として扱われています。

hit pay dirt (偶然うまく)掘り当てる(ビジ英5月号p.62,74)
 pay dirt は「payするdirt」=砂金がとれる採掘地。
この「hit」の感覚が生きていると思われる別の表現に、come by ~がありました(問題の②)。

turf 領域・なわばり(ビジ英5月号p.62)
 She is on home turf when it comes to computer graphics.
 彼女はCGが得意の分野です。
 この場合、home ground が同意語ですね。

trot into ~に行く、駆け込む(ビジ英6月号p.18)
 駆け足系の動詞は以前まとめました→こちら

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2007年5月26日 (土)

ボーンキング vs ウッドビーキング

 今回は「ビジ英」5月号、L3の復習で、昨日の杉田会でも話題になった表現を取り上げました。

toss and turn 寝返りを打つ
 Vignette では結構速く発音されていたため、taciturn(無口な・寡黙な)に聞こえました(笑)。正確に言うと、taciturn の最初の母音は[taes] なのでtossの[tos] とは異なるのですが、その後ろのturn部分はつづりも発音も同じなため空耳になったんですね。

Boys will be boys. 男の子だから仕方がない。
 関連表現として次のようなものがありました。

 ・born king 生まれながらの王様
  さらに強調して、born and bred もありました。
 ex. Parisian born and bred 生粋のパリっ子
 ex. I was born and bred in Tokyo. 私は生まれも育ちも東京です。

 ・would-be king 自称王様・王様志望
 ・would-be buyer (ひやかしではなく)買う気のある人
 ・would-be+「犯人系の単語」 犯罪が未遂に終わった人

 ここで問題です。昔、中央競馬に、「ボーンキング」と「ウッドビーキング」という2頭の馬がいました。果たしてどっちが強かったでしょうか??

 正解は・・・名前の通り、やっぱりボーンキングが断然強かったです(笑)。
 さらに余談ですが、明日の日本ダービーは絶好調の福永ジョッキーの乗るアサクサキングスに注目しています。

an ounce, if not a solid pound, ○○○
 1ポンドは約454gくらい、その1/16が1オンスで約28g なので、「16ではないにしても 1くらいの○○○」という感覚ですね。オンスはボクシングのグローブの重さの単位にも使われていますね。

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2007年5月16日 (水)

競馬用語から

日本の中央競馬会(JRA=Japan Racing Association)では今、5週連続のGIレースの真っ最中です。個人的には毎年、「日本ダービー」を楽しみにしていますが、その前にきっちり競馬由来の英語表現もおさらいしておきたいと思います。イディオム由来辞典を一読しただけでもざっとこんなにありました。

a dead ringer for someone/something 人(物)にそっくりな人(物)
 *米国の競馬で、いわゆる替え玉の馬を ringer というところから。dead は強意語。
down to the wire (口)最後の最後まで/ギリギリ間に合って
 *「競馬の決勝ライン(wire)のところで」。実際のwire は決勝ラインの真上(馬より高い位置)に張られていた針金のこと。under the wire とも。
get someone's goat 人をひどく怒らせる
 *厩舎で競走馬を落ち着かせるためのヤギを盗んでしまうと馬は興奮して怒るところから。
hit (get into) one's stride 本調子に戻る
 *競走馬が本来の歩幅(stride)に達することから。
 ⇔put someone off someone's stride (人の調子を狂わせる)
horses for courses 適材適所
 *競走馬にはそれぞれ得意なコースがあることから。
jockey for position 有利な地位を得ようと駆け引きをする
 *jockey は「競走馬に乗る」という意味の動詞。騎手が好位置を得ようと駆け引きをすることから。
a run for one's money 接戦/満足
 *競馬で賭金に見合うような競り合いをすることから
take something in (one's) stride (困難などを)平然と受け止める/扱う
 *障害レースで競走馬が本来の(平地を走っている時の)歩幅を崩さずに障害を越えることから。
 →現実的には難しいと思いますが、この表現、NHKラジオ講師の先生(誰かは忘れてしまいました)が「困難をひょいとひとまたぎ」と説明していました。→ビジ英(06年9月号p.48,2nd見出し語)に既出

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2006年12月20日 (水)

ビジ英・12月号の復習(競馬編)

今月も競馬ファンには見逃せない重要見出し単語がありました。

thorough 完全な、抜かりのない(12月号p.10,3rd 見出し語)
 ご存知、thoroughbred (サラブレッド)=thorough (純血の)bred(生み出された動物)のthorough ですね。thoroughbred は「育ちのよい人・教養のある人」も指しますが、日本語では「政界のサラブレッド」などように親の血筋を引いた2世のエリートなどに使うことが多い気がするので、英語と微妙にニュアンスが違うのかもしれません。

suave もの柔らかな、人当たりのよい、上品な(12月号p.44,1st見出し語)
 1991年の凱旋門賞馬はSuave Dancer (スワーヴダンサー)という馬でした。そういえば、似た単語で長母音の発音だけ異なるswerve(急にそれる,11月号p.36,3rd見出し語)が先月出てきていました。さすが「ビジ英」、学習上、意図的に似た「見出し語」を設定していることが伺えます。ある「見出し語」が、少し時間が経ってから「Daily Quiz」に再登場するパターンも実に助かります。

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2006年12月 2日 (土)

アイポッパー

今日の中山メイン・ステイヤーズS(GII)はペリエ騎手騎乗のアイポッパーが勝ち、6歳にして見事にGウイナーの仲間入りを果たしました。この馬を英字表記するとEye-Popper となります。eye-popping は文字通り、「目玉が飛び出るほど、びっくりさせるような」という意味の形容詞、eye-popper が「目を見張らせるもの・人」ですね。まさに映画「マスク」の目玉が飛び出るワンシーン(CG)が思い出されますが、周囲をびっくりさせるほどの活躍を、と馬主さんが期待してつけた名前なんでしょうね。「ビジ英」では、ほぼ同じ意味で、eye-opening(形容詞・名詞)、eye-opener(名詞)が出てきていました。
 ちなみにこのレースでは、他にゴーウィズウィンド(7着)という馬が出ていました。これって有名な「風と共に去りぬ」かなと思ったら、正確には「Gone with the Wind」でした。
 さて、明日の中山新馬戦(4R)にはプラピシャスという牝馬がデビューするようです。これは形容詞 propitious(吉兆の)からの命名とのことですが、この形容詞、私は知りませんでした。この単語が私の中で定着するかどうかはこの馬の活躍にかかっています(笑)。あまり人気はなさそうですが、この仔の父親は新種牡馬(new sire)のカリズマティック(<charismatic、maにアクセント) ですから関係者の期待は大きいはず。いわゆるカリスマ(charisma) は[カマ(リにアクセント)]という発音注意単語でした!これは、「化粧品/化粧用の」を意味するcosmetic [カティック(メにアクセント)]と同じパターンですね。ちなみに-smaで終わる単語は全て[ズマ]と濁って発音するようです→例:plasma(プラズマ/血漿)、miasma(毒気/悪影響)など。

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2006年11月27日 (月)

Deep Impact has the deepest impact!

 ディープインパクトが帰国後のGI、Japan Cupを見事に最後方から(from the back of the field)最速の上がり33秒5で2馬身(two lengths)突き抜け勝利!
 このブログでも触れていた凱旋門賞(Prix de l'Arc de Triomphe)の失格(disqualified)でモヤモヤしていたものを一気に払拭する復活Vです!ある英字新聞はレースの様子を次のように描写していました。

「Deep Impact's win came in front of a crowd of that eventually reached 120,182. The colt, winner of a Triple Crown last year, started with Take keeping him at the back of the pack. As the field turned into the home straight, Take went wide and Deep Impact surged ahead of the field.」

「ディープインパクトの勝利は、最終的に12万182人にも上る観衆の前に訪れた。昨年の三冠馬を、武は初め馬群の後ろにつけ、全馬が最後の直線に入ってくると外に持ち出し、ディープインパクトは馬群を突き抜けた。」

 おもしろいと思ったのがfield の使い方。このfield は場所ではなく全競技者(馬)を表していて、競馬ではとくに「本命馬(この場合=Deep Impact)以外の全出走馬」という意味だそうです。なので、いわゆる「馬群」はこの文のように、pack field で表せばいいんですね。ちょっと違和感があったのはcoltcolt(仔馬)は競馬ではデビュー前で牧場にいるような当歳馬などを言う気がするので、普通にthe horse とする方が自然だと思いました。確かにディープは平均より小さな馬体ですが。ちなみに、この記事の見出しでは、ディープを「colossal colt(とてつもなく偉大な馬)」と表現していたのですが、これはhead rhyming+oxymoronicでなかなかniceです。

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