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2024年2月

2024年2月26日 (月)

競走馬名の由来 (2024.2.25)

2/25(日)、今週は海外(サウジアラビア)で世界最高賞金レース「サウジカップ」が行われる週ということで、語学学習と競馬観戦のコラボ企画(主旨:言語学的に気になる競走馬名の由来を調べながらその馬を応援)の6回目をやっていきたいと思います。今回もJRAのHPにお世話になります。

阪神4R①ブリックワーク (Brickwork):レンガ造り
⇒偉大な父ブリックスアンドモルタル (Bricks and Mortar: レンガとモルタル) の作品はレンガ造りというシャレた命名
。結果は低評価(10番人気)を覆す着。ちなみに○○ワークという現役馬は、奇しくも同期にアートワーク (Artwork: 芸術作品)とサルヴェージワーク (Salvage Work: 海難救助作業) がいます。

中山6R⑧イージーブリージー (Easy Breezy):とても簡単な
⇒脚韻を踏んだ同意語からなる反復セット。
結果は、気の若さを見せながらも着。似たパターンの馬名としては、現役のサンデーファンデー (Sunday Funday: 楽しい日曜日) が挙げられます。ちなみにイージーを名に持つ現役馬は、本日中山7Rで2着に好走したイージーオンミー (Easy on Me: お手柔らかに) やスピークイージー (Speakeasy: 米国の禁酒法時代のバー) らがいます。

中山11R中山記念 (GII) ジオグリフ (Geoglyph):地上絵
⇒母の母がナスカ (Nasca)なので「隔世命名」。最強世代と呼ばれる現5歳で、あのイクイノックスを破って皐月賞を勝った馬。その後は連戦連敗で低迷中でしたが、今回
は復活を十分に予感させる着(4番人気)。ちなみに、1番人気で1歳下の皐月賞馬ソールオリエンスSol Oriens: 朝日(ラテン語))はジオグリフから半馬身遅れの4着。

さて、サウジカップは日本の総大将ウシュバテソーロUshba Tesoro山の名+冠名)が後方から会心の追い込みを決めた!と思ったところを、人気薄のセニョールバスカドール(米国、Senor Buscador: Mr. 探究者(西))が図ったように差し切る(アタマ差)という結末でした。さすがはダート競馬の本場=米国の面目躍如、層の厚さも感じられました。後日、セニョールバスカドールに斤量違反(規定より1 kg増で出走)が発覚しましたが、self-handicappingなので失格とはならず、実際の着差以上(おそらく1馬身以上と推定)に強かったことも判明しました。気を取り直して、ウシュバの次走はドバイワールドカップ(予備登録済)、ぜひ連覇を期待したいです。


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2024年2月19日 (月)

競走馬名の由来 (2024.2.18)

2/18(日)、今日は今年最初のGIレース「フェブラリーステークス」が開催される日ということで、語学学習と競馬観戦のコラボ企画(主旨:言語学的に気になる競走馬名の由来を調べながらその馬を応援)の5回目をやっていきたいと思います。今回もJRAのHPにお世話になります。

東京2R⑥ニシノコルベット (Nishino Corvette):冠名+快速艦
⇒corvetteの
発音は[kɔrvét]。corvetteの綴りを見てなぜかcommittee (委員会)を連想しましたが、どちらもフランス語由来の説があったので妙に納得。結果は流れに乗る先行策で見事に着(6番人気)。

京都10R③セオ (Theo):男子名。父名(スピルバーグ)からの連想(管理人注:スピルバーグ監督の息子の名)、ディオ (Dio):神(伊)

⇒出走表を見ておもわずニヤリ。Theoはギリシア語由来の「神」、Dioはイタリア語の「神」。この2頭が隣り合って神対決。実は1度対戦(その時も隣同士)があり、その時はセオが1着、ディオが2着。今回の結果は・・・ディオが1着でリベンジ、セオは3着。JRAの実況もかなりアツかったです。

東京11RフェブラリーS (GI) アルファマム (Alpha Mom):リーダー格のママ
アルファ=α (alpha) を名詞Nの前に付けると第一位のNという意味になります。例えば、1つの星座の中で最も明るい星はα星、猿の群れで最も強い雄はαオス(俗語のボス猿は誤解を招くおそれがあり学術的に推奨されないとのこと)ですアルファマムはいろんな意味で強そうですが、結果は10着。近年稀にみる超ハイペースの消耗戦決着で大外枠も厳しかったようです。

フェブラリーSは日本ダート界(マイル)の頂点を決めるGIレース。今回のレースの大きなポイントは、(i)真のトップ層が不在(1週間後の海外GI サウジカップ出走)、(ii)人気馬が気性難、という点。まず(i)の背景から芝路線組を含む各陣営のヤル気が倍増、芝スタートから加速した逃げ馬⑮ドンフランキーの異常なスピード、その番手で4頭の先行馬が激しくポジション争い、これが空前のハイペースを生みました。レースが流れると(ii)の気性難は自然解消される(人馬が折り合う)こともありますが、1番人気の⑤オメガギネスにとっては、道中で進路カットや接触を伴う消耗戦。レース経験の浅さ、テン乗りも災いしたのか直線で早々に失速。一方、2番人気の⑭ウィルソンテソーロも、レース前のイレコミによる体力消耗、オーバーペースの番手でよく粘りましたが、ラスト2ハロンで徐々に後退。結局、人気と連動しづらい終始一貫したタフさが問われるレースとなりました。結果は、三連単の配当が153万円超の大波乱。的中した皆様、おめでとうございます!

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2024年2月12日 (月)

競走馬名の由来 (2024.2.11)

2/11(日)、語学学習と競馬観戦のコラボ企画(主旨:言語学的に気になる競走馬名の由来を調べながらその馬を応援)の4回目をやっていきたいと思います。今回もJRAのHPにお世話になります。

東京4R新馬戦 ⑪バスティオン (Bastion):要塞。誰にも攻略を許さない圧倒的な存在になることを願って
個人的にbastionは初めての単語ですが、base (基地) と関連していると思われます。発音は[bǽstiən]ですが、USでは[bǽstʃən]とも。後者の発音ならSebastian's bastion (セバスチャンのとりで)でイケそうです(入れ子型の押韻)。結果は残念ながら10着(16頭中)。 

京都8R②サンライズプルート (Sunrise Pluto):冠名+冥王星。
2006年8月に惑星から準惑星に「降格」された冥王星。そのため、plutoが「降格させる」という意味の動詞(米・口語)にもなりました結果は1番人気を背負いましたが6着。「惑星から見る日の出」というつながりでは、ブルーサン (Blue Sun) という現役馬がいます。この馬名は、火星から見た朝日(夕日)の色が青いことに由来しています。

小倉11R⑧ファロロジー (Pharology):灯台学
⇒灯台学という学問を初めて知りました
。「明日をも照らす希望の光のような存在に」という願いが込められていそうです。結果は差のない10着(18頭中)。
珍しい学問名の現役競走馬としてはジェモロジー (Gemology: 宝石学) がおり、過去にはアンソロポロジー (Anthropology: 人間学) やトポロジー (Topology: 位相幾何学) がいました。

東京11R共同通信杯GIII ⑦パワーホール (Power Hall):入場曲名。
現役時代、革命戦士と呼ばれたプロレスラー「長州力」の入場曲。馬主は「スワーヴ」の冠号で有名な㈱NICKS。結果は、低評価(単勝151.2倍)を展開の利(超スローペースの逃げ)で覆して着。ちなみにサンダーストーム (Thunder Storm: 嵐、7戦0勝) が入場曲の天龍源一郎は、滑舌の悪さで長州力と双璧を成す存在

灯台学 (pharologyで思い出したのが研究社の英語辞典「ライトハウス」。LIGHTHOUSE(灯台)には、未知の英語の世界を照らすガイドのような意味が込められていると書いてあった気がします。後に、この辞典の編集に、NHK「基礎英語」でお世話になった小島義郎先生が携わっていたことを知りました。ちなみに-logy」は「~学」という複合語を作る接尾辞ですが、シンプルに言語や論理という意味で語形成に使われる場合もあります。紛らわしい例としては、mythology(神話(学))と misology(理屈・議論を嫌うこと <miso(嫌う)+logy(論理))があります。したがって、お味噌の学問の「ミソ学」は先客(後者)がいるため-logyを用いた単純な造語は厳しいかもしれません。

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2024年2月 5日 (月)

競走馬名の由来 (2024.2.4)

2/4(日)、語学学習と競馬観戦のコラボ企画(主旨:言語学的に気になる競走馬名の由来を調べながらその馬を応援)の3回目をやっていきたいと思います。この時期、何とかデビューにこぎつけた新馬(最初の2頭)を皮切りに、今回もJRAのHPにお世話になります。

東京5R④アルドール (Ardor):情熱(西)。母名(ヒルダズパッション)より連想。
⇒ラテン語の炎が語源ということで、英語だとardent (情熱的な) あたりが関連語。1番人気(単勝2.8倍)に支持されましたが結果は10着。ちなみに、ardorのrを全てlに変えるとaldolというβ-ヒドロキシカルボニル化合物になります。このaldolを生成するアルドール反応の最初の発見者とされているのが、意外にも
「韃靼人の踊り」で有名な作曲家のA. ボロディン(実は有機化学者で医師)。上記の反応が「ボロディン反応」となっていないのはスティグラーの法則どおり。

京都5Rスターリングアップ (Stirring Up):(心が)奮い立つ。
stir upは句動詞で(気持ちを)かき立てる。どんな気持ちかは目的語次第。
結果は着とまずまず。ちなみに、名前が~アップで終わる現役馬は、キイモップアップ (Kii Mop Up: 冠名+完成、総仕上げ)、ターニングアップ (Turning Up: 折り返し)、ブレークアップ (Breakup: 空が破れたかのように見えるオーロラ) など。過去にはJCを勝った豪のベタールースンアップ (Better Loosen Up: くつろいでよね) という名馬がいました。

京都10R③ヴァガボンド (Vagabond):風来坊。
⇒漫画の『天才バカボン』(諸説あり)や『バガボンド』にもみられますが、英語の発音は[vǽgəbɑ̀nd]。別の言い方だと man of pleasure(放蕩者)。なお、
ヴァガボンドは牡馬(オス馬)なので、Vagabond の綴りのままフランス語(ただし最後のdは黙音)でもいけます。母馬はカプリースレディー (Caprice Lady: 気まぐれな淑女) なので少し関係がありそうです。結果はインコースから逃げて最後までよく粘り着。

東京12R⑬フィンガークリック (Finger Click):ジャズでよく用いられる指パッチン。
⇒「指パッチン」は芸の呼称で正式ではないかもしれませんが便利な表現です。結果は馬番と同じ13着と振るいませんでしたが、興味深いのは父馬の名前=マインドユアビスケッツ (Mind Your Biscuits)。米の馬だし、あのシービスケット (Seabiscuit: 海軍用の堅パン、父馬はHard Tack: 乾パン) にちなんで?と思ったら「Mind Your (Own) Business (大きなお世話だ)」を捩(もじ)って付けられたとのこと。英語で「勢い型」のダジャレは珍しいと思いました。

ところで、vagabond の別の表現として man of pleasure を紹介しましたが、こんな時はポリコレ的に「person of pleasure」と無性語を使うべきと主張する人がいます。いつかのラジオ講座で、対象の性別がはっきりとわかっている状況でわざわざpersonを使うのは逆に変だと教わりました。例えば、会議の議長が男性であることが明白な時に、その議長に対する呼びかけや言及にchairpersonは使いません。一般論において、議長を勝手に男性と決めつけてchairmanとしないことがポリコレの考え方なので、無性語が常に万能なわけではないことに注意したいです。  

 

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