« Dog as a God | トップページ | 自己言及型の事象 »

2023年10月 2日 (月)

クセ強な英単語

単語の「音」自体に意味があるとする「音象徴」の考え方は、古代ギリシアのソクラテスの時代からあるそうで言語学の重要なテーマにもなっているようです。今回は、音を筆頭に様々な手法で自己主張してくるクセ強な英単語をいくつか取り上げたいと思います。

<単語編>
gobbledygook(gobbledegook) 難解な/意味不明な/無意味な言葉・表現、テキストの文字化け
 1944年の造語。まず見た目が「文字化け」っぽいし、
5つの阻害音(k, p, t, k, k)→4つの濁音減価(g, b, d, g)でネガティブすぎる響き。本家の「all Greek」も顔負けのインパクトです。例えば、手品をするときの呪文=abracadabra(アブラカダブラ)や魔法の歌 Bibbidi-Bobbidi-Boo(ビビデバビデブー)などにも共通するこの濁音連続攻撃は、聞き手や読み手に良くも悪くも明らかに普通ではないイメージを与えます。

mondegreen 聞き間違い
 1954年の造語。この単語自体が“laid him on the green ()”→“Lady Mondegreen (×)”の「聞き間違い」。本ブログでは15年ぶりの再登場ですが、当時の記事で引用したWikiの疑問は既に解消されていて、(広義の)空耳はdeliberate mondegreenという扱いに訂正されていました(ホッ)。個人的には「空耳」の意味が国語辞典で ①幻聴、転じて聞き違い、②聞こえないふり、となるのはいつ頃なのか気になっています。

oxymoron 撞着語法(矛盾語法)Photo_20231002230001
 本ブログではおなじみ。ギリシア語の鋭さ(oxy)+鈍さ(moron)に由来し、この単語自身が矛盾をはらんだ「撞着語」。ちなみに(鋭い味がする)酸はギリシア語でoxys→「酸の元が酸素である」という誤解から生まれたoxygen→それを和訳した「酸素」→それを輸入した中国と韓国→中国だけがかろうじて「氧」に変更。このように「新語の広がりは急激で、その回収は緩慢な」言語の性質こそoxymoronicだといえるかもしれません!

semordnilap シモードニラップ 
 逆方向から読むと違う意味になる語句のこと。この単語を逆から読むとpalindrome(s)=回文という別の意味になるので、この単語自体が「シモードニラップ」。回文を作るときのパーツとしても重要かもしれません。有名な例として、stressed(ストレスのかかった)⇔ desserts(デザート)があり、ストレス解消はデザートで!と考えるとちょっとオシャレなペアですね。

次回は自己言及型の事象編を取り上げます。 

|

« Dog as a God | トップページ | 自己言及型の事象 »

コメント

mondegreen 、久々に読みました。エルトン・ジョンの「Tiny Dancer」という曲の一部 "Hold me closer tiny dancer” が”Hold me closer Tony Danza" に聞こえるっていう mondegreen、ありましたよね?懐かしくなりました。

あと、このあいだアメリカ人と話をしていた時に「professional student」って言葉が出てきて、「It sounds like an oxymoron.」と言ったら「本当だ」って言われて、知っててよかった!って思いました。(ちなみに professional student とは、勉強するのが好きすぎて、何年も大学に残っている生徒のこと、だそうです。)

投稿: ラジ子 | 2023年10月 5日 (木) 19時49分

ラジ子さん
またもやコメント公開と返信が遅くなってしまい大変失礼いたしました。
例のE. Johnの歌詞、確か“Folding clothes with Tony Danza”に聞こえる説もありましたっけ。超大物のmondegreenってところが逆にレアかもですよね。
会話でoxymoronがパッと出てきたラジ子さん、カッコイイです。まさに会心の瞬間ですね。そしてprofessional studentを教えていただきありがとうございます。逆っぽい表現として、杉田敏先生がご自身を「アマチュア言語学者」と言っていたのをなつかしく思い出しました。

投稿: やまちゆう | 2023年12月18日 (月) 00時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« Dog as a God | トップページ | 自己言及型の事象 »