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2009年4月

2009年4月25日 (土)

sanction of sanctions

一昨日の「ニュースで英会話」で、sanctionは(なぜか)-sをつけて「制裁」となるが、(公式の)「認可」という意味もあるので要注意とのことでした。ということで、強韻(ごういん)な反復型を1つ。

sanction of sanctions 制裁の認可

このように、同音異議語(homonym)、というかまったく同じスペルで意味が逆になるようなものはやっかいですね。例えば・・・

oversight 監視 見過ごし
 ①はoverseevt. 監視する)の名詞形で、overに制圧感があります。②は文字通り、sight(視界)をover して(超えて)しまったということ。もし監視と見過ごしを取り違えたら、それこそ見過ごせない大きな違いになってしまいます。

他に「どっちがどっち?」といった感じの単語・フレーズはこちら

最近、日本語でも例を見つけました→「偏在」と「遍在」。

偏在:偏って存在する事(overconcentration/maldistribution)
遍在:どこにでも存在する事(omnipresence/ubiquity)

どちらも「へんざい」なのに意味が真逆。会話中は判断つきません。というか会話では使わない、ですかね。前者の偏在なら「局在」が便利かも。

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2009年4月19日 (日)

英語クイズ

昨日、ブログで大変お世話になっているラジ子さんのオフ会が開かれました。私は都合がつかず参加できませんでしたが、オフ会での会話のネタの1つに、と英語クイズを出題させていただきました。以下にそのクイズを載せてみましたのでぜひ解いてみて下さい。考えて解くタイプの問題ですので、辞書の持込みも可です。

問題
(A)次の単語に共通する性質は何でしょうか。
①salutations
②gobbledygook
③ailihphilia

(B)次の単語(フレーズ)に共通する性質は何でしょうか。
①No comment.
②abbreviation
③aibohphobia

ヒント
・(A)の①はgreetings、③(造語)はainamania(造語)と同じ意味。
・(B)の③も造語です(昔の「ビジネス英会話」に登場歴あり)。
・(A)の共通点は(B)の共通点と「逆」の性質です。

答えは後ほどコメント欄にて。

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2009年4月17日 (金)

luminescent adolescent

昨日の「実ビジ(L2-1)」Daily Quizではteenager(s) の入れ替えとしてadolescent(s) が登場。使わないせいかすっかり忘れていました。そこで、何とか韻を作ろうとしたのですが、すぐに思いつかず・・・。まずは語源からアプローチすることにしました。すると、adultと同じ語源(ラテン語由来)であることがわかりました。

adolescent 青年(期の)
<adolescere 成長する+-ent(形容詞化接尾辞)
 =成長する(人)

adult<大人(の)adultus(ラテン語)
<adolescere 成長する+-tus(過去分詞語尾)
 =成長した(人)

①はluminescent(発光性の)のスペルを連想します。ちょっとおかしな表現ですが、luminescent adolescent(ピカピカの青年?)とすれば「脚韻+L音共通」でいいかも・・・。後半の「-éscent」はスペルとアクセント位置が同一です。ということで、luminescent adolescent脚韻型のリストに追加します。なお、「青年期・思春期/青年らしさ」の名詞はadolescenceとなっています。
一方、②は汎用性の違いからか、①に比べると原形からかなり省略されているようです。語尾のあたりはbuilt(buildのpp)やspilt(spillのpp)を連想させます。adultのアクセントは前と後ろの2種ありますが、発音のしやすさから私は後ろに強勢を置いています。

余談ですが、「青年期」がらみでは過去にこんな韻も作ったことがありました。

poverty at puberty 思春期の貧困

頭脚両韻型です)

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2009年4月10日 (金)

押韻表現のまとめ

韻はの世界ではもちろん、だじゃれ、ことわざ、押韻俗語(*注1)など、生活の身近なところでもたくさん使われています。理由は何といってもリズムのよさ、言いやすさが心地よくて低燃費(発音に使うエネルギーが小さい)だからでしょう。
ここで、本ブログでご紹介してきた押韻表現を以下に整理してみました。私の分類では基本型が4種類、特殊型が2種あります(赤字は私の造語です)。

・基本型:反復型頭韻型脚韻型母韻
・特殊型:頭脚両韻しりとり型

補足
*頭脚両韻型=頭韻型かつ脚韻型
*反復型≒頭脚両韻型+母韻型
*一方が他方を包含する反復型=入れ子型
*多重または時間差の押韻=スゴ韻

いわゆるイディオムやセットフレーズの発音をよく見てみると、上述のいずれかのタイプの韻を踏んでいることが多いです。これは必然と言えるかもしれません。

<応用編>
前述のさまざまなタイプの韻を利用して単独では覚えづらい単語の記憶に使います。簡単な手順を以下に示します。

覚えたい単語Mについて
①Mの特徴的な発音部分と押韻する単語Aを探す(*注2)
②AMまたはMAと並べた時の発音と意味を確認する
 必要なら前置詞等を加える(なるべくシンプルに)
③直感でいけそうなら完成、ダメなら①に戻る
④韻のタイプ別にまとめておき後で復習する

韻の完成に正しい答えはありません。個人の発想や感性によって組み合わせは自由で無限です。うまくいくと単語の意味が覚えられるだけでなく、その単語の発音や構造に対する理解も深まります(*注3)。それゆえに既知の単語同士の組み合わせでも韻を考えることには十分意味があると思います。そして、作った押韻表現をそのままセットフレーズとして実際の会話や何かのネーミングに使えたら最高ですね。

肩の力を抜き、遊び感覚で。「一日一韻」!

*注1:押韻俗語とは2語以上のフレーズの最後の語が、意図する語と押韻(脚韻)するもの(plates of meat=feetの類)。米語では一般的ではなく、その性質上からも本ブログではとくに扱っていません。

*注2:脚韻を踏む単語を調べる辞書→RhymeZone

*注3:単語のスペルを覚え歌(mnemonic rhyme)で暗記する手法の例→こちら

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2009年4月 4日 (土)

可能性を表す助動詞&副詞

以前、「可能性」に関係した記事を書きましたが、化学論文を書く場合には、その可能性の程度によって助動詞や副詞を使い分ける目安として以下のような使用基準があります。

 可能性を表す助動詞と副詞の使用基準(参考:『化学』 2009, 64, 46より)

  助動詞  確率(%)       副    詞  確率(%)
 will   95-100   certainly   90-100
 would   90-95   probably   80-90
 should   80-90   presumably   80-90
 may   30-50   likely   70-80
 might   25-50   perhaps   30-50
 could   20-40   possibly   30-50
 (補足)
 ・would, should, might, could は過去形だが過去時制ではない
 ・may, might, could は実用的にはそれぞれ50, 30, 20%の確率
 ・probablyは推定根拠なし、presumablyは推定根拠あり
 ・maybeはperhapsと同程度の確率の口語。論文ではNG
 ・likelyは文中で使う。(much) more likelyで確率UP

上の引用文献では研究分野と助動詞・副詞の使用頻度の関係についても触れていて、生物化学の論文は有機化学に比べ、確度の低い助動詞・副詞(とくにmay、likely)を多く用いる傾向があるとしています。このことは生物化学が不確定要素の多い分野であることを示しています。
 確率は主観的なもので、とくに会話の場合には、context(話の流れ)、tone of voice(声の調子)、non-verbal message(ボディランゲージ)で変化します。なので確率の%を論じてもあまり意味がありませんが、上の表はある程度の目安にはなると思います。
 ちなみに、日本語の副詞で「概ね(おおむね)」は8~9割、「大体」は8割程度の確率だそうです(『タモリのジャポニカロゴス国語辞典 第一版 p.130』)。もしかすると、気象予報では降水確率などを表現する際に一定の基準があるのかもしれません。

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