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2008年8月26日 (火)

頭文字語と頭字語

最近、「黒単(第2版)(三修社)」を購入しました。語源タイプの参考書ですが、内容が深く読み物としてもなかなか面白い本です。その中で、なるほどと思った単語の1つにradar(レーダー)がありました。私はつづりをraderと思い込んでいました。しかもradarが頭字語(acronym)だったという事実も知りませんでした。以下、記載されていた頭字語の一部を示します。
radar(レーダー、電波探知機):radio detecting and ranging(p.104)
sonar(ソナー、音響探知機):sound navigation and ranging(p.102)
scuba(スキューバ):self-contained underwater breathing apparatus(p.103)

ということは、laser(レーザー)あたりも・・・と思って調べてみたらこれもやっぱり頭字語でした(<light amplification of stimulated emission radiation)!その他のacronymの例としてはタバコのMarlboro(<Man always remember love because of romance only.)があります。

一方、これらの頭字語(acronym)と似た略語(abbreviation)に頭文字語(initialism)があり、こちらはU.S.A.U.N.などのようにアルファベットをそのまま発音します。言ってみれば、「頭字語=頭文字語の高級なもの」で、概念的には頭文字語は頭字語を含む(initialism⊇acronym)としてよいと思います。
 実は、これら2つの略語について、私自身はこれまで区別していませんでした。調べてみるとメディアでも混同されていることが多いようです。一例を示します(誤→正の順)。

・「黒単(第2版)」(三修社)
 p.103の8,11行目:acronymの項でinitialismのQ.E.W.やU.N.を紹介
 p.104の2行目:頭字語initialism(p.59)→頭字語acronym(p.102)
・「ネイティブの「造語力」を身につける!」(国際語学社)
 p.154,156:頭字語→頭字語の誤り
「ものしり英語塾」,2007.12.12放送(マーシャ先生)
 BTW, FYI, JICなどのネット語(Netspeak)acronymとして紹介
 →initialismの誤り

ということで、ここで両者を確認の意味でまとめてみます。

initialism(頭文字語):各単語の頭文字(initial letter/word)をつなげたもので、アルファベットを一つずつ発音するもの。最近ではネット語(Netspeak)で多用されている。
 例:GP(=general practitioner):一般開業医、RN(=registered nurse):正看護婦、3R's

acronym(頭字語):頭文字語の中でも、とくに一つの単語のように発音が可能なもの。
 例:NASA(=National Aeronautics and Space Administration):米航空宇宙局

ちなみに、acronymの語源は、acro(先端・頂点・高所)+nym(=name)→「単語の各先端を集めてできた名詞」です。頭文字を並べただけのinitialismの-ism(~表現)とは違い、-nymに「単語化されている」という特徴がよく現れていると思います。

※頭(文)字語の元の意味が知りたい時に便利な検索サイトがありました。
 →Acronym Finder

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コメント

ご無沙汰しています。
こちらは本当に暑く、ひたすら耐えています。
そちらは、涼しいでしょうか?

radarがacronymだとは、まったく知りませんでした。
勉強になりました。
laserもそうでしたか。amplicationの意味を忘れかけていました。考えてみれば、音楽用語のアンプ
amplifierの仲間ですね。

Hildaさん
お久しぶりです。こちらは冬が豪雪だから夏は過ごしやすいと思いきや・・・夏は夏でやっぱり暑く、昨日あたりは職場の部屋が35.5度でした。この夏一番の暑さだったようです。
ampも省略語から単語に昇格した例ですね。探したら、元は省略語だとはわからない単語も結構ありそうです。

【やまちゅう@管理人】

投稿: Hilda(返信付) | 2008年8月 4日 (月) 16時24分

initialismとacronymを復習してみて、その間の微妙な位置にある単語があるなあ・・と思いました。出来立てホヤホヤというか、ある分野の中でだけ注目されている比較的新しい名詞(蛋白とか物質とか機能とか)に使われているように思います。
例えば、免疫系や代謝系に重要なPPAR-Familyは、Peroxisome Proliferated-Activated Receptor(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体)の事なんですが、「ぴーぴーえーあーる」と言う人もいますが、「ぴーぱ」と言う人もいます。ちょうど、initialismとacronymの間の時期なのかなーと思いました^^
他にも、異常ビタミンK依存性凝固因子のPIVKA(protein induced by vitaminK absence or antagonists)「ぴぶか」や細胞内シグナル伝達経路の一つであるJAK-STAT (Janus kinases /signal transducers and activators of transcription)「じゃっくすたっと」等が最近聞いた中では印象的です。学会に行けば、「ええー!」と言うような、新しい色々なinitialismとacronymに出会えますね♪

MAMIさん
なるほどっ!鋭いコメント&情報ありがとうございます。
acronymとしてハマるかどうかは偶然もかなり効いてきますね。ちょっと前になりますが、SARS(severe acute respiratory syndrome)がメディアに初登場した時は「エス・エイ・アール・エス」でしたが、1週間程度で「サーズ」に統一されました。acronymにならないまでも、語呂のよいinitialismなら歓迎ですね。今後もどんな頭(文)字語が登場するか、その略称の妙に酔いしれましょう!
【やまちゅう@管理人】

投稿: MAMI(返信付) | 2009年1月14日 (水) 01時45分

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