« Mandarin Way | トップページ | 記憶法(revised) »

2007年11月 4日 (日)

記号系

化学系の英語論文を書く時に最も参考になる本の1つに、アメリカ化学会(ACS)が出している「The ACS Style Guide」があります。今回はこの本をベースに、記号の中でもとくに句読点(punctuation)の一般的な使い方に焦点を当てて自分なりにまとめてみます。

①「'アポストロフィapostrophe/プライムprime
②「,コンマcomma [kα'mэ])cf. coma [ko'umэ] 昏睡状態
③「:コロンcolon [ko'ulэn])cf. colon 結腸(発音・綴り同一)
 →結腸のcolon についてはラジ子さんのブログに解説があります。
④「;セミコロンsemicolon

各論
アポストロフィ所有格、短縮形、文字・数字・記号の複数形を示します。
 記号等の複数形の例 the 1980's(1980年代)、three 7's(3つの7)
→ただし、この類のアポストロフィは最近は省略する傾向があります(1997年のビジ英で既に省略例あり→3R's)。
 プライム: 2’を日本語ではなぜか「にダッシュ」と言いますが、英語読みでは「two prime」と発音します。この「’」は発音の第一アクセントの場所を示す記号(primary accent mark)の転用のようです。あくまでもダッシュ(dash)は「―」のことで、ハイフン(hyphen)「-」もその1つです(ACSの定義)。

年月日の日付と年の間には「,」を入れます
 Tuition will be raised by nearly ten percent as of April 1, 2001. (DUO3.0, No.333)
 2001年4月1日から授業料が10%近く値上げになります。
 →ただし、日付がない場合には、コンマは必要なしですが月名は完全にスペルアウトする必要があります(ex. April 2001)。

 ついでに日付の書き方についてDUOに解説があります。
米国式:月/日/年 11/4/2007
英国式:日/月/年 4/11/2007
→ビジネス文書では混乱を避けるため、月名(あるいはその略語)はスペルアウトするべきとされています(日向先生のビジ英より)。

コロンの役割
 先行する情報の説明/展開に語・句・文を導入する時に使います。動詞や前置詞とそれらの目的語の間に用いるのはNGです。
 The electron density was studied for the ground state of three groups of molecules (1) methane-methanol-carbon dioxide, (2) water-hydrogen peroxide, and (3) ferrous oxide-ferric oxide.
 3群の分子の基底状態に対する電子密度が調べられた:(1)メタン-メタノール-二酸化炭素、(2)水-過酸化水素、(3)酸化第一鉄-酸化第二鉄。
 なお、日本語では列挙するときの番号に、1)のような片かっこをよく使いますが、英語では(1)のような両かっこが正式です。

セミコロンの役割
 接続詞を用いずに独立節同士を分離する時に使います。独立節と従属節の間は通常のコンマで十分ですね。
 All solvents were distilled from an appropriate drying agentTHF and ether were also pretreated with activated alumina.  
 全ての溶媒は適切な乾燥剤存在下で蒸留し、THFとエーテルは活性アルミナで前処理も行った。
 なお、「コンマが既に使われている事項」を区切りたい時もセミコロンを使います。

 以上、なるべく一般性の高い事項に絞ってまとめてみました。この他、ハイフンのつなぎ方(hyphenation)や数学記号の使い方にはかなり厳密な規則があります。日本化学会でもようやく昨年、化学英語に関するスタイルガイドが監修され、体系が整備されてきました。

|

« Mandarin Way | トップページ | 記憶法(revised) »

コメント

きちんと英語を勉強したことがないので、こういう記号は苦手です。論文ともなれば、いい加減なこともできず、ルールにのっとった表記法で英文を書くんですよね。すごいなぁ~。ある程度、数をこなすと慣れるものですか?
イッパイ論文を書いて、もっともっと立派になってくださいね。

投稿: ラジ子 | 2007年11月 6日 (火) 21時32分

ラジ子さん、論文英語はテクニカルな部分が多く慣れが必要だと思いました。スタイルガイドを含めた規定も投稿先の雑誌でかなり違います。しっかりしたEditor だと審査や校正がスムーズですが、逆にこちらがいろんな面でかなり気をつかわなければいけない雑誌も一部ありました^^;。
ともあれ、論文英語の校正過程はとても勉強になります。

投稿: やまちゅう | 2007年11月 7日 (水) 07時07分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 記号系:

« Mandarin Way | トップページ | 記憶法(revised) »