End Rhyme(脚韻)型
韻(rhyme [raim])をきれいに踏むととても心地よい響きの表現になります。言語における rhyme は 音楽における rhythm(←つづりも似ています)と同様に、ある大きさの「音の塊」をなめらかに発音するための最も大事な要素の1つです。逆に考えると、心地よく発音しやすい押韻表現は、はるか昔から現代まで確実に生き残ってきたと言えます。
一方、詩の韻律などがぎこちないことを表す形容詞に lame [leim] (足の不自由な/韻がぎこちない)があります。でも、lame rhyme(ぎこちない韻)自体はきれいに脚韻を踏んでいるというironyです(笑)。
今回は韻の中でも、とくに脚韻(end rhyme)を踏んだ表現をフォーカスしてみます。単語編(hyphenatedは除く)、フレーズ編、文章編に分けて記載しました。
(注)$ は記憶用に組み合わせた私のオリジナル表現。
<単語編>
・bigwig (話)えらい人、要人
・cakewalk ケーキウォーク(へんてこ歩き)/簡単なこと
・hotchpotch (hodgepodge) ごたまぜ
・overachiever とくに優れた成果を上げる人
・rumormonger うわさを広める人(-monger=~商、~を広める人)
cf. fish-monger(魚屋さん), war-mongering(戦争屋)
<フレーズ編>
$abscond in a second たちまちこっそり逃亡する(vi.)
・age range 年齢幅
$anonymous unanimous 無記名で満場一致の
・arts and crafts (美術)工芸・手工芸
・artsy-craftsy 芸術家気取りの
・as snug as a bug in a rug 居心地がよくぬくぬくと納まっている
・bait and wait 餌をまいて待たせること
*テレビ番組やCMにおいて、一番最後に重要な事実を明かすことで最初から最後まで視聴者を釘付けにする手法)
・the bee's knees とびきりいいもの/人(イデ由No.51)
*ミツバチが花粉を集めるのにうまくヒザを使うところから
・bells and whistles 付加機能、飾り
・bon ton 上品、上流社会<仏語
・both well and frail 健康な人もそうでない人も
・the cock of the walk お山の大将
*walk=鶏舎 の代わりに roost(止まり木)、dunghill(鶏糞の山)も可
・cozy and rosy 居心地がよくて前途有望な
・crude and rude 粗野で礼儀知らずな
・doom and gloom 暗い見通し・陰々滅々
・drug lag 国の違いによる新薬承認の遅延
※欧米と日本では平均約2.5年、時には4年半以上かかることも。
・economics and ergonomics 経済学と人間工学
[k
n
miks]/[
r
n
miks]
→形容詞形(~学の)は-mic(cf. economical 経済的な)
→副詞形(~学的に)は-mically
→~学者はeconomist [ikn
mist], ergonomist [
r
n
mist]
$eight freights 8つの積荷 [-eit]
$endemic epidemic = endemic ある地方特有の流行病=風土病
・erosion-corrosion 浸食と腐食→腐食摩耗(学術用語)
・fair and square 公明正大な
・fender bender (軽い)交通事故
$fantastic antarctic 素晴らしい南極
・by/in fits and starts 時々思い出したように・断続的に
・flotsam and jetsam 浮き荷と投げ荷→がらくた・浮浪者達
$fried potato and dried boníto フライドポテトとかつおぶし
$harmonic mnemonic 調和がよくて記憶を助けるもの
※まさに私が日々探しているもの!(mnemonicを覚えるという意味で)
・hatched, matched, and dispatched 最初から最後まで(全て完了した)/(the~)(新聞の)出生,結婚,死亡欄
・helter-skelter 混乱した状態らずな
・high and dry 岸に乗り上げて/見捨てられて
cf. leave someone high and dry 人をお手上げ状態のままにする、放置プレイにする(*船を高く乾いた所に取り残すところから)
$hoe and harrow 鍬(くわ)と鋤(すき)(で耕す)[hóu][hrou]
・hoity-toity あきれた!/横柄(な)
・horses for courses 餅は餅屋。適材適所
*競走馬にはそれぞれ得意なコースがあるところから
・hover over ~の周りをうろつく/覆いかぶさる *発音注意 [hΛ]
・huff and puff 憤慨して話す、息を切らす
・hustle and bustle 喧騒、雑踏(例えばNYの)
・itsy-bitsy とても小さい
$lame rhyme ぎこちない韻
・last and first しりとり遊び
・lean and mean しゃかりきに
・leave someone high and dry 人をお手上げ状態のままにする、放置プレイにする
*船を高く乾いた所に取り残すところから
$leverage beverage 飲料を利用する [lv
rid
][b
v
rid
]
・lose the booze 酒をやめる
$luminescent adolescent ピカピカの青年
・make or break ~ ~の成功を左右する
・make-or-break いちかばちかの
・metrosexual ⇔ retrosexual 都会風のセクシーな男性⇔昔ながらの男性
$miracle vehicle 「奇跡の乗り物」 [-эkl]
・moan and groan 不平不満を言う [oun]
・mumbo jumbo (呪文のような)ちんぷんかんぷん [-∧mbou]、後者を強めに。
・name and shame (不正をした人・会社の)名前を公表する
・the name of the game 最も重要な面、性質
・nitty-gritty 物事の核心
・no go ダメな、ムダな [nou gou](it is ~の形が多い)
・north, south, east, and west 東西南北(日本語と語順が違う)
・novice service 初心者のサーブ(権)/未熟者のサービス
・nuts and bolts 基本/仕組み
・odds and ends がらくた・雑用
・off the cuff 即席で(袖口のメモなしで)
$pain and bane 悩みの種 *深刻度はpain<bane(死に関わる)
$painted tainted food 傷んだ食べ物の絵
・phony baloney うそ偽り [-ouni]
・pie in the sky 画餅
・pooper scooper シャベル
$Powell's bowels パウエルさんの腸(と覚えましょう・笑)
*bowel は通常複数形で用いる
・replica of paprika パプリカのレプリカ
*[ré-] [-prí-]
・roller-coaster 浮き沈みの激しい
・rough and tough 頑強な・強硬な
・[hard/tough/long] row to hoe 困難な仕事/長きに渡る仕事 [ou]
・short and sweet (手紙や演説が)簡潔な
・slim and trim (体型が)スマートな
・still and all それにもかかわらず、結局
・[stomp/stride/walk] off in a huff むっとして[足を踏み鳴らして/大またで/歩いて]立ち去る
・sure cure (for ~) (~の)特効薬
$suffice for sacrifice いけにえに十分である[-fais]
・take it or leave it. (it=申し出に対して)受けるか否か(命令形で相手に決断を迫る)
・take the cake (主語が)最高だ/最低だ(反語)
・tarred and feathered ひどい屈辱・非難を受けて(イデ由No.752)
*「熱いタールをかけ羽毛で覆う」古い刑罰から
・on company time and dime 会社の勤務時間内・経費負担で
(実ビジ'08下期L7-1)
・toil and moil あくせく働く
・(as) trite as white bread ありふれていて面白くない
・virtuosity of a curiousity shop 骨董屋の美術鑑賞
・walk the plank 殺される、(米口)強制辞職させられる
*plank =海賊が目隠しをした捕虜を歩かせ海に落として殺すのに使った厚板)
・walkie-talkie トランシーバー・無線機
・wreak havoc (on ~) (~に)大損害をもたらす
・wrench で clench する レンチで締めつける
・wear and tear 摩耗、消耗
・willy-nilly 優柔不断の/無計画の・で/否応なしの・で(willが肯定でnillが否定)
・wheel and deal 駆け引きをする・うまく立ち回る/大きなビジネスを手がける
・wheeler-dealer 策略家・敏腕な実業家
*原義:商品を車に積んで売り回る人
・wine and dine ワインを飲みながら食事する
・womb-to-tomb [u:m] 子宮から墓場まで→誕生から死まで
<文章編>
・If it bleeds, it leads. (2007年度「ものしり」)
「残酷な事件ほどトップニュースになる」
・Boozers are losers. 「大酒飲みは(人生の)敗者」
・Birds of a feather flock together. 「類は友を呼ぶ/同じ穴のむじな」
・If you've got it, flaunt it. それ(持ち物/知識)をお持ちなら堂々とお見せなさい。
・Never fear, ○○○ is here. 「○○○(=人)が来たからもう心配なし」
・I gave him a nudge, but he wouldn't budge. (2007年度「ビジ英」)
彼を(注意するために)ちょっとこづいたが彼は態度(意見)を変えようとしなかった。
・One rotten apple spoils the barrel. 「樽の中に1つ腐ったリンゴがあると全体を腐らせる」
・Oh, you're a poet, and you don't know it. 「おお、あなたは詩人だ。しかもそれに気づいていない」(期せずして韻を踏んでしまった相手に対するつっこみ)
・Travel right is travel light. 旅は身軽なのがいちばんです。(2008年7月号「実ビジ」)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント