2009年5月23日 (土)

接尾辞「ery」

接尾辞の-eryは名詞や形容詞に以下のような意味を付与して新しい名詞を作ります。

製造所・販売所
bakery パン屋
beanery (安くておいしい)豆料理を出す店
boozery 酒場・バー
brewery 醸造所/ビール工場
distillery 蒸留酒製造所
eatery 食堂・飲食店
greenery 温室(緑樹栽培所)
lunchery 昼食を食べるところ
winery ワイン醸造所

異形:-ary、-atory、-atry、-ry
cemetery 墓地(Gk.眠る+場所<-tery>)
dormitory 寮(L.dormire=sleep)
laboratory 実験室(L.laborara=work)
library 図書館(L.liber=book)
observatory 展望台/天文台/気象台(<observe)

集合
confectionery 菓子類/菓子製造者
greenery 青葉・緑樹(集合的に)
machinery 機械類
stationery 文房具(※下記<まぎらわしい例>参照)
spicery 薬味類

異形:-ary、-atory、-ry
dictionary 辞書(diction=ことば使い,用語)
gadgetry 目新しい道具類
jewelry 宝石類
notary 公証人(note=書き留める)
pastry 小麦粉を練った菓子類(<paste「練り粉」)
 cf. パテシエ 《F》pâtissierはpastry chef
secondary 部下・補佐
secretary 秘書・書記・事務員(米では大臣・長官)
signatory 署名者・加盟国(sign=署名する)
summary 要約(※下記<まぎらわしい例>参照)
weaponry 兵器類

<補足>
(1)語幹の語尾-eは語形成の際に脱落する。
(2)-aryは「名詞から形容詞を作る接尾辞」の方がメジャー(※)。

(※)-aryを本(参考2の英語語形検索)で調べると、
[名詞→名詞:9例/形容詞→名詞:5例[名詞→形容詞:34例

<まぎらわしい例>
stationary(静止した)=station(位置)+ary
stationery(文房具)=station(持ち場、お店)+ery
 上記2つの発音は全く同一

summary(要約)=sum(合計)+(m)+ary
summery(夏らしい)=summer+y(形容詞化の接尾辞)
-arで終わる名詞(ex. grammar, seminar, scholar)は意外と少ない(byクリスさん)。学術系の単語に多い印象がある。

参考1. 連想式にみるみる身につく語源で英単語
参考2. ネイティブの「造語力」を身につける!

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2009年5月18日 (月)

Vodka Day

一昨日ご紹介したウオッカVodka)が昨日のビクトリアマイル(GI)を圧勝しGI5勝目を挙げました。その差はなんと7馬身!ライバル17頭をはるかかなたに置き去りにするという衝撃のレースでした(写真の一番右の馬がウオッカ)。

Victoria Mile field tipsy after too much “Vodka”
 『強烈 「ウオッカ」に酔いしれたビクトリアマイル』
                          (Racing News, JRA, 2009.05.17)

    Vodkavm1

tipsyは「ほろ酔いの」という意味の形容詞で、ウオッカ(Vodka)がお酒の名前でもあることに引っ掛けて、「競馬場の観客がウオッカの強さに酔いしれた」ことをうまく表現しています。
ここで、ウオッカの栄誉を称え、彼女がこれまでに勝ったGI戦を競馬記事(JRA Racing News) の見出しで振り返ってみます(訳出は管理人)。

阪神ジュベナイルフィリーズ(2006.12.03)
 Vodka Toast of Her Class
 「話題のウオッカが祝杯」
 toast 「祝杯」と「評判の人(ここでは馬)」をかけている

日本ダービー(東京優駿)(2007.05.27)
 Vodka a stunner at the Derby
 「ダービー馬は衝撃のウオッカ」
 stunner 大きな衝撃を与えるもの/驚くほど素晴らしい人(物)

安田記念(2008.06.08)
 Vodka back to her best in the Yasuda Kinen!
 「安田記念でウオッカが復活V!」

天皇賞・秋(2008.11.02)
 Vodka edges Daiwa Scarlet by 2 cm for historic Tenno Sho (Autumn) finish
 「天皇賞(秋)はウオッカがダイワスカーレットを2センチ差で破り歴史的勝利」
 edge (vt.) ~に小差で勝つ、~との接戦をものにする

こうして記事の見出しを読むだけでもウオッカのスゴさが伝わってきます。どの勝利も記録だけでなく強烈に記憶に残り、ファンに大きな感動を与えてくれる点で、間違いなくウオッカは稀代の名馬といえます(あえて名牝とは呼びませんw)。

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2009年5月16日 (土)

Vodka & T M Precure

先週と今週の「ニュースで英会話」は英字新聞の特集でした。中でも、「見出し」はだじゃれ、比喩などユーモアたっぷりで読むだけで楽しいものです。例えば、競馬記事では以下のような感じです。

Hanshin Juvenile Fillies (G1)
 ― Vodka Toast of Her Class
(Racing News, JRA, 2006.12.03)
 「阪神ジュベナイルF(GI) ― 話題のウオッカが祝杯」

    Vodkajf_3

ウオッカ(Vodka)が2歳牝馬世代(her class)の頂点を決めるGIレース(阪神ジュベナイルF)を制した時の記事の見出しです。Vodkaはお酒の名前でもあることから、toastに「評判の人(馬)」と勝利の「祝杯」をかけています。ウオッカはこの後も日本ダービー(牝馬では64年ぶり)、JCを含むGI計7勝を上げ、2008、2009年のJRA年度代表馬にまで成長。現在も活躍中です。

Nikkei Shinshun Hai (G2)
 ―T M Precure Procures the First Cup in 3 Years!

 「日経新春杯(GII) ― テイエムプリキュアが苦節3年越しの勝利!」
                                  (自作, 2009.01.18)

        Tmprecureg2

テイエムプリキュア(馬主の冠号TM+漫画のプリキュア)はウオッカの1つ先輩の2歳女王。つまりウオッカの制した阪神JFの前年の同レース(2005.12.04)を勝ったのですが、その後、ウオッカとは対照的に約3年間未勝利。そして去る2009年1月、雨中の「引退レース」を見事に逃げ切り勝ち。ここでは、T M Precureprocure(苦労して獲得する)のだじゃれで見出しを作ってみました。なお、同馬はこの復活Vにより引退を撤回し現役続行が決定。さすがは土壇場に強い「プリキュア」です。

余談ですが、ウオッカはちょうど明日(5/17)のビクトリアマイル(GI)に出走しGI5勝目に挑みます。果たして今回はレース後の記事にどんな見出しが踊るのか、今から楽しみです。

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2009年5月 1日 (金)

Swine Flu

メキシコ発の新型インフルエンザのエピデミック化が深刻な問題となっています。日本でも大型連休の折、経済的な影響がいっそう懸念されます。不況に続いて世界情勢は混沌の一途を辿っているかのようですが、こういう時ほど冷静さが必要ですね。最近の英語ニュースをチェックしてみました。

New cases of swine flu were confirmed in the United States and Europe a day after the WHO said the virus threatened to become a global epidemic and raised its alert level to Phase 5, the second-highest stage, for the first time.

欧米でも新型のブタインフルエンザが確認された。その前日、WHO(世界保健機関)はウイルスが全世界的に広がる恐れがあるとして、その警戒レベルを上から2番目の段階、フェーズ5に初めて引き上げていた。

swine ブタ *動物学・医学などで使うフォーマルな単語
 cf. bovine(ウシ)、ovine(ヒツジ)、equine(ウマ)
  ↑これらは全て第一音節に強勢、語尾は-ine [ain]。

epidemic 伝染病・流行(の) 
 語形成はepi(=upon)+dem(people)+ic で「人々の上」に広がるイメージ。demはdemocracy(民主主義)にも入っています。記事ではglobal epidemicとありますが、これを一語で言うと次に紹介するpandemicです。

pandemic 世界的流行病(の)・パンデミック
 語形成はpan(=all)+dem(people)+icで、「全ての人々」に広がるイメージ。pan-はpanacea(万能薬)、Pan Pacific(環太平洋)、あるいはPangea(パンゲア)のpanですね。
 深刻さの度合: pandemic=global epidemic>epidemic

alert ①警戒(警報/体勢)(の) ②機敏な、冴えて
 alert level=警戒レベル。on the alert (警戒体勢で)という形でよく見かけます。最近の実ビジでは②の意味で出てきました(4/29)。いずれの意味も、状況に対していつでも俊敏に対応できる体勢、体調にあるということで共通しています。

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2009年4月25日 (土)

sanction of sanctions

一昨日の「ニュースで英会話」で、sanctionは(なぜか)-sをつけて「制裁」となるが、(公式の)「認可」という意味もあるので要注意とのことでした。ということで、強韻(ごういん)な反復型を1つ。

sanction of sanctions 制裁の認可

このように、同音異議語(homonym)、というかまったく同じスペルで意味が逆になるようなものはやっかいですね。例えば・・・

oversight 監視 見過ごし
 ①はoverseevt. 監視する)の名詞形で、overに制圧感があります。②は文字通り、sight(視界)をover して(超えて)しまったということ。もし監視と見過ごしを取り違えたら、それこそ見過ごせない大きな違いになってしまいます。

他に「どっちがどっち?」といった感じの単語・フレーズはこちら

最近、日本語でも例を見つけました→「偏在」と「遍在」。

偏在:偏って存在する事(overconcentration/maldistribution)
遍在:どこにでも存在する事(omnipresence/ubiquity)

どちらも「へんざい」なのに意味が真逆。会話中は判断つきません。というか会話では使わない、ですかね。前者の偏在なら「局在」が便利かも。

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2009年4月19日 (日)

英語クイズ

昨日、ブログで大変お世話になっているラジ子さんのオフ会が開かれました。私は都合がつかず参加できませんでしたが、オフ会での会話のネタの1つに、と英語クイズを出題させていただきました。以下にそのクイズを載せてみましたのでぜひ解いてみて下さい。考えて解くタイプの問題ですので、辞書の持込みも可です。

問題
(A)次の単語に共通する性質は何でしょうか。
①salutations
②gobbledygook
③ailihphilia

(B)次の単語(フレーズ)に共通する性質は何でしょうか。
①No comment.
②abbreviation
③aibohphobia

ヒント
・(A)の①はgreetings、③(造語)はainamania(造語)と同じ意味。
・(B)の③も造語です(昔の「ビジネス英会話」に登場歴あり)。
・(A)の共通点は(B)の共通点と「逆」の性質です。

答えは後ほどコメント欄にて。

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2009年4月17日 (金)

luminescent adolescent

昨日の「実ビジ(L2-1)」Daily Quizではteenager(s) の入れ替えとしてadolescent(s) が登場。使わないせいかすっかり忘れていました。そこで、何とか韻を作ろうとしたのですが、すぐに思いつかず・・・。まずは語源からアプローチすることにしました。すると、adultと同じ語源(ラテン語由来)であることがわかりました。

adolescent 青年(期の)
<adolescere 成長する+-ent(形容詞化接尾辞)
 =成長する(人)

adult<大人(の)adultus(ラテン語)
<adolescere 成長する+-tus(過去分詞語尾)
 =成長した(人)

①はluminescent(発光性の)のスペルを連想します。ちょっとおかしな表現ですが、luminescent adolescent(ピカピカの青年?)とすれば「脚韻+L音共通」でいいかも・・・。後半の「-éscent」はスペルとアクセント位置が同一です。ということで、luminescent adolescent脚韻型のリストに追加します。なお、「青年期・思春期/青年らしさ」の名詞はadolescenceとなっています。
一方、②は汎用性の違いからか、①に比べると原形からかなり省略されているようです。語尾のあたりはbuilt(buildのpp)やspilt(spillのpp)を連想させます。adultのアクセントは前と後ろの2種ありますが、発音のしやすさから私は後ろに強勢を置いています。

余談ですが、「青年期」がらみでは過去にこんな韻も作ったことがありました。

poverty at puberty 思春期の貧困

頭脚両韻型です)

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